冥王と呼ばれた男と幽霊の、軽やかな主従冒険譚

最新話の二章五話まで読みました。いわゆる『魔界都市』もののファンタジー。世界観はしっかりと作り込まれているらしく、霊の実体化を『肌』と表現したり、幽霊の相談にも乗る弁護士など、小ネタの数々に冴えがあって飽きさせません。
他のレビューでも書かれたように、ダークと銘打たれていますが、今のところ登場人物たちの掛け合いが軽やかで、あまり重苦しい雰囲気ではない。バーの所で、結局メリーアンのカクテルを飲み干しちゃう場面とか好きです。
また、食事の描写が好きなので、たびたびバーでカクテルの描写などが入るのもうれしいですね(ところで大麦酒がビールだとすれば、ウィスキーとのカクテルってボイラー・メーカーだと思うのですが、ルシアンさん面白いの飲んでますね……)(緑薬酒はアブサンかな?)。
文章、展開、キャラクターどれもこなれていて安心! 主役のルシアンとメリーアンにもまだまだ謎は多く、読者をこれからどこへ連れて行ってくれるのか、寛いで待つことが出来る小説です。

11/7追記:大麦酒=ビールではなく、ビールはビールと書いてありましたね、失礼しました! ラスティネイルなら甘いというのも納得です。

その他のおすすめレビュー

雨藤フラシさんの他のおすすめレビュー1,352