カクヨム版は実のところ苦手意識が強かったのですが、購読後印象が変わりましたので記させて頂きます。ネタバレを避けつつ参りますと、二章でテッシーの「故郷に対するアンビバレンツな感情」が描かれ、三章で宮水家の持つ不思議な力に迫り、それは終幕四章への布石へと繋がります。
掲載されている一章は序の序。(もちろんレーベルがライトノベルですから仕方がありませんが)ここで苦手だなあと手を引いてしまう方は勿体無いですので、是非ご購読をお勧めします。
というのも、終盤になるにつれ描写はどんどん緻密になっていき、読み応えのある文章に変わっていく為です。特に宮水神社とかつての災害、そこを起点とした信仰の変化を紡ぐ設定の諸々については「成る程」と頷かされる部分が多々あります(感動と呼び声高い終章については、内容を伏せさせて頂きます)
テッシーがなぜ爆弾を炸裂できたのか。
俊樹がなぜあの役職に至り、そして決断を下したのか。
Another Sideを読んだ後もう一度見る「君の名は。」には、また違った「ムスビ」が垣間見えるのではないでしょうか。
こうなると他の「Another Side」も、読みたくなってしまいますねえ...
一冊丸ごと購入した人間にとっては、かなり不愉快な内容。二次創作界隈でさえ、即売会販売本に掲載された話の内容全文自サイトに掲載するのはタブーに近い。その理由は、即売会で『出版物をお金を出して買ってくれた読者の方に申し訳ないから』。これならば、二次創作出版物作品の自サイト通販者達の商法の方が優れていると言わざるを得ない。その多くは掲載話の全文をサイトに掲載せず、掲載しても、掲載話すべて起に当たる触り部分の一話読み切り形式掲載に従事し、続きは製本にて~という形態をとっている。そして、全文掲載および連載は、全てその出版物の後日談、または前日談のみといった、購買読者でなければ全容を理解し得ない作品のみ全文掲載という形でさらに出版物の購買意欲を煽っている。更には、全文掲載作品は発行から一年以上ないし五年以上経過ののち、二度と製本しないだろう場合に行われている。何時から大手出版会社は、二次創作界隈の素人にも劣る、出版物を購入してくれた客に対する配慮を欠くような商法を取るようになったのだろうか。Another Side:Earthboundを購入した読者は、この連載には現時点で一読の価値もないと言わざるを得ない。購買数目的の連載としても、この連載には疑問が残る。今回の形式には次がない。二次創作界隈においてさえ、即売会販売本のサイト連載形式の後日談が人気を博し、製本化という流れに至った作品が幾つもある。にもかかわらず、大手出版会社の名を背負ったカクヨムでこの為体。上場企業に名をあげて久しい企業の名を持ち、その名の元に商売をしている以上、商売でもない、ただのFAN活動の一環にも劣る洗練されていない振る舞いをよしするのを恥とするべきである。活本業界の不況を叫ばれて久しい現在、このような振る舞いに従事しては、ますます購買者数の減少への後押しにつながるのではとの懸念が否めない。これらのことから今連載のカクヨム掲載に際し、ゴーサインを出した人間の商売人としての感性に疑問を持つとともに、非常に落胆を覚えとても残念だ。
第1話「ブラジャーに関する考察」は終始、三葉の中に入った瀧の視点で描かれる。「弱い癖に喧嘩っぱやい(映画より)」男子視点から、同い年の、それもかなり文化系である華奢な女子の肉体への不思議を徹底的に描きつくしている。おっぱい。特に第1話の5で描かれた三葉のギャップこそが、映画『君の名は。』における重要な隠れ要素である。
都会に住む瀧から見た三葉の田舎と、三葉のこと。「お前は誰だ?」の一言に凝縮されていた瀧の思考が弾けて溢れる。映画では数分?間のモンタージュとして描かれた数週間ないし数か月間の、三葉に入った瀧と、瀧に入られた三葉の周囲の変化とおっぱいを詳しく見ることができる良作。映画を観た人はぜひ手に取って欲しい。また、本作から映画に興味を持った人はぜひ、空前絶後の大傑作を観に映画館へ行くことを強くお勧めする。
10/3 追記
書籍を購入しました。事前情報によれば、四章構成で、四章目がすごく感動的なんだとか。そう、カクヨムに公開されているのはこの面白おかしい書籍の一章部分だけなのです。
くそー、まんまと販促にハマってしまった(笑)
楽しもうと思います!
『今日も、またしても、目が覚めたら女の身体になっていた。』
大ヒット中の「君の名は。」の番外編?の一作。
冒頭の、最もキャッチーな部分である"男女入れ替わり"を実際に経験した高校生男子が、感じるであろう心の動きが何だかリアルに(思える)形で書かれており、映画を見られた方は是非読んで追体験して欲しい。男子が女子の体に入ったら、身体のつくりや動きに戸惑う様や、瀧クンはこんな事を考えていたのか...と更に味わいが深くなる。
もう一回映画を見に行きたくなりました。この内容を頭に入れて、もう一度入れ替わりシーンを見たい。
そんな気にさせる一編。
ということで、カクヨムに掲載されているのは第一話のみなのですが、実は書籍版ではもう3話あります。
テッシーこと勅使河原、四葉、そしてお父さん宮水俊樹についてです。
どの話も「君の名は。」の魅力の一層のUPにつながっていますが、、お父さんの話は出色です。描かれなかったラストシーンの裏側がよくわかるので、映画を見た方は、是非書籍版をオススメします。
特に、結末にもやもやした方は、スッキリすると思います。