二人の王子に挟まれた、鈍感女子の明日はどっちだ?

 リストラされたOLの真瑠璃は、道端で突然イケメン王子・在人に声を掛けられ、連れて行かれたカフェ『鎮魂館《レクイエム》』で、もう一人の目つきの鋭い王子・欧理に出会う。
 なんと二人は現代に生きる陰陽師であり、真瑠璃の持つ、ある力を借りたいというのだ。
 最初は戸惑う真瑠璃だが、いけ好かない欧理とペアを組まされ、仕方なく陰陽師のバディーとして、浄霊の手伝いをすることに。
 凄腕だが、呪いによって霊を視ることができない在人と欧理の代わりに、彼らの目となって浄霊に協力する真瑠璃。数々のピンチを切り抜け、

欧理「おれが浄霊してやるぜ!」
真瑠璃「それを言うなら、あたしたちが、でしょ」

 ……という会話はないのだが、やがて二人の呼吸も合い始め、浄霊の経験値もあがってゆくにつれ、彼らは日本を揺るがすような巨大な怨念のエネルギーと対することになる。

 本作は、全編が激しい陰陽バトルの連続。合間に甘ーいレモンタルトとか、小旅行とか、ハイキングとか噛ませつつ、実生活では能力低めの、霊能力はしかし高めな真瑠璃が、二人の王子様に必要とされて頑張ります。
 ああ、だがなんということでしょう。真瑠璃は鈍感女子だったのです。二人の王子様の気持ちに気づかず、おかしなボケを連発します。おまけに料理も下手。

「メシマズ女子と相伴する勇気、あるかしら?」

 ……という会話もないのですが。

 平成最後の年、迫りくる巨大な暗黒の力から、日本を守るのは彼女! 果たしてこの天地をゆるがす超絶陰陽バトルの行方は?
 そして、霊は見えるが男心は見えない真瑠璃の恋の行方は?

その他のおすすめレビュー

雲江斬太さんの他のおすすめレビュー463