現実世界が異世界とつながってしまう特殊現象「蒼の夜」。その怪現象に巻き込まれた高校生の氷室司は、異世界の怪物に襲われたところをトラストスタッフを名乗る律と遥に助けられる。じつは彼らこそは、「蒼の夜」から人々を守る秘密組織「暁」のメンバーだったのだ。そして、司は自分が、「蒼の夜」の中で動くことができる特別な存在であることを知る。
世間には公表されてないない怪奇現象「蒼の夜」。青い光に満たされたその空域は、この世界の人間が、まるで時間が止まったように動きを止め、その間の記憶すらない。しかも、そこを異世界の怪物に襲われたら、「蒼の夜」を認識ではない人はまるで神隠しのように消失してしまうのだ。
その脅威から人々を守る組織「暁」。その中で動くことが出来る司には、「暁」に所属する能力があるのだ。
逡巡する司だが、彼は自分の周りの人を守るため、「暁」に所属し、「蒼の夜」の脅威と戦うことを決意するのだった。
ごくごく普通の高校生司が、なぜか異世界転生したみたいな過酷なバトルに参加させられます。これが強制でなく志願なのですが、それでも大変な重圧です。みずから死地に赴いて、その場で動きを止めた人たちを守りながら戦う。バトルの恐怖とプレッシャー。
当然彼には普通の高校生としての悩みもあります。恋であったり友情であったり、そして「蒼の夜」の秘密を守らなければならない責任であったり。
そういったことが丁寧に描かれ、最初ただ単に巻き込まれただけの主人公が、一歩一歩成長して、やがて一人の剣士となる姿が熱いです。