筆力は十分だが、足りない部分も多い

敵、味方ともにキャラクターが良く書けている。悪役の憎たらしさとエキセントリックさはなかなかのもの。
しかし、全体的な分量の問題をいうと、ちょっと物語前半の分量が多すぎ、逆に、後半は少なすぎる。特に、遺跡に到達して鍵の正体が判明してから、決着がつくまでが早すぎる。あと一転くらいはしてほしい。なにより、肝心のSF要素である巨人がほとんどなんの活躍も見せずに話が終わってしまうのが残念。
第五章の「PMC部隊とCIAの工作部隊、またそのどちらにも属さないヒュペルボレイオス達とが、三つ巴の攻防戦を繰り広げていたらしい」という部分は、主人公の推測で終わるのではなくて、ちゃんと書いてほしかったところ。

全体的に見て、文章力や描写力は十分と思いますが、構成力は改善の余地があると思います。

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