第10話 それぞれの作品

 それだけいろいろ似ている私たちなのですが。


 たいへん残念なことに、才能は似ていないようです。


 類友さんは、凄い方です。


 それはもう、とある著者さまも絶賛なさっているほど。


 鮮烈なイメージを描かせる描写。

 オリジナリティあふれる世界観。

 そこには、リアルがある。


 真の知性がなければ書けない、ユニークでありながら少々ダークな視点による文章。


 昔、『悪魔の辞典』という、明晰な頭脳の持ち主が鋭い感性で書いたものだと思われる作品を読んで超感心&大爆笑していたものですが、類友さんの作品にもそれと似通うお作があります。


 切り口が綺麗なので、斬られたことにも気づかない。


 また、身近な人物を魅力たっぷりに描いたエッセイも多く著しておられます。その面白さたるや。最高です。


 問題行動が愛しく見える、彼女さん。

 突拍子もない言動がときに頼もしい、ご友人。


 我が子を独特に理解しておられるらしい、母君。

 さすがこの方の父、というべき(?)父君。


 どのエッセイも、抱腹絶倒。


 かと思えば、くすくす笑いの止まらない作品もあります。


 それでいて、繊細で美しい恋物語も書いておられます。


 思わずヌスミたくなるほど魅力的な作品群。


 発想が独特で、ほかの誰にも思いつかない異色のものでありながら、なぜかとびきりリアル。


 これぞ才能ある方の作品、だと思います。


 私には、とてもこんな凄い作品は書けそうにない。


 ああ、肝心なところで似ないとは、悔しい。

 才能あふれるところが似ていてこそ、類友最高! なんですけど。


 ああ、残念──。

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