第9話 共通点の嬉しさと、相違点の面白さ
そこから趣味趣向、好むものについてのお話もするようになりました。
類友さんのエッセイの感想から、ラーメンの好みの話となり。
私たちは、ラーメンは塩味が好きです。
ラーメン店で塩味がないと、がっかりします。それなのに塩ぬきラーメンを食べさせられた破目になった類友さんには、深い同情を禁じ得ません。
カップ麺は醤油がお好みのようです。
私はあまり強く味に希望があるわけではありませんが、思い出してみれば醤油味が多いです……。
ただ、カレーヌードル(とくにチーズ入り)と酸辣湯麺も好きです。
類友さんも、お好きだそうです。
なんだかんだ、こうした話題で盛り上がります。
勿論、共通しないところもあります。
類友さんのお作に、ちょっと特殊なヒーローものがおありでして。
性的興奮が高まると、超能力を発揮して人助けが出来るという、異色のヒーローです。
私は、眉間にシワを、口元に笑みを浮かべて面白く読ませていただいたので、実は結構、ニマニマ楽しく執筆なさっているのかな、と思っていました。類友パターンかな、と。
ところが実際は、申し訳なさを感じて謝りながら書いている、というのです。
あら~パターンからは外れましたね~。
でも、それも面白いと思うのです。
そして、だからこそ、ぎりぎりのところで品位を保った作品となっている、と思うのです。
私たちは、おそらく二人とも、人付き合いに堪能ではありません。
誰も不快にさせたくないし、傷つけたくない。
そうなれば、自分自身の不手際や失敗に耐えがたい思いをする。
生きているのが申し訳ないくらいに落ち込むことも、ある。
信頼を築けた相手ならば大丈夫でも、そうではない近しい人たちとの付き合いは、とてもプレッシャーを感じる。
ひとつひとつの言動に、行動に気をつかい、それでいて無邪気なところもあるので、思いもかけない失敗をして心が疲れてしまう。
迷惑をかけたことを、くよくよ悩んでしまう。
私は、そういう人間です。
そして、類友さんにも似た様子を感じるのです。
類友さんは、私より遥かに心優しく寛容な方です。
厳しくも優しい、思いやり深いご性質であられるように感じられます。
そして、大人になりきれない私と、気の毒なほどに大人な類友さん。
類似点と相違点。
それが私を惹かれさせます。
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