千年の時を越え、永遠に生き続ける物語。

源氏物語。本作はそれを分かり易く伝えたものとなっています。

言わずと知れた世界最古の長編小説にして、恋愛小説の元祖。ですがこれだけだと、今とは違う遠い昔のお話であり、現在の恋愛観からすると受け入れられない部分もあるかもしれません。
現に自分も読んでみて、いくらなんでも倫理に反するのではないかと思うような場面もいくらかありました。ですがそれ以上に、今でも活きている鉄板シチュエーションが沢山あるのです。

許されざる禁断の恋に身を焦がすとか、幼馴染との純愛とか、タイプの違う二人の男が一人の女性を取り合うとか、みんな一度はどこかで聞いたことがありませんか?これ、全部源氏物語に書いてあります。あと、ある意味ハーレム物の元祖かもしれません。
千年たっても続く鉄板くネタをこれだけ生み出すとは、紫式部先生は偉大です。

お話と言うのは、例えそれ自体は完結していても、読者が思い描く限りいつまでも生き続けるものだと思っています。現に今も、こうして新たな源氏物語が作られています。
千年間愛され続けたこの物語は、今も、そしてこれからも、誰かの心の中で生き続けていく事でしょう。

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