源氏物語。本作はそれを分かり易く伝えたものとなっています。
言わずと知れた世界最古の長編小説にして、恋愛小説の元祖。ですがこれだけだと、今とは違う遠い昔のお話であり、現在の恋愛観からすると受け入れられない部分もあるかもしれません。
現に自分も読んでみて、いくらなんでも倫理に反するのではないかと思うような場面もいくらかありました。ですがそれ以上に、今でも活きている鉄板シチュエーションが沢山あるのです。
許されざる禁断の恋に身を焦がすとか、幼馴染との純愛とか、タイプの違う二人の男が一人の女性を取り合うとか、みんな一度はどこかで聞いたことがありませんか?これ、全部源氏物語に書いてあります。あと、ある意味ハーレム物の元祖かもしれません。
千年たっても続く鉄板くネタをこれだけ生み出すとは、紫式部先生は偉大です。
お話と言うのは、例えそれ自体は完結していても、読者が思い描く限りいつまでも生き続けるものだと思っています。現に今も、こうして新たな源氏物語が作られています。
千年間愛され続けたこの物語は、今も、そしてこれからも、誰かの心の中で生き続けていく事でしょう。
以前、瀬戸内寂聴先生が対談の中で、「最初に触れた源氏物語は、与謝野晶子訳でした」と言っていたの受け、『源氏物語』与謝野晶子(訳)に挑戦するも、すぐに挫折した。
元々古典には苦手意識があり、ちんぷんかんぷん。
読破できる気がせず、そっと本を閉じましたw
きっとこれは与謝野晶子(訳)が良くないのだと責任転嫁。
他の訳に挑戦するも挫折(だって意味が分からないんだもの!)。
あくまで「超訳」だから、これを読み終えて「源氏物語を読んだことがある」とは言えないけれど、準備読書としてちょうどいいのではないだろうか?
原文は厳しくとも、現代語訳であれば「超訳」と突き合せて読めば理解もできるだろう。
読解を助けるテキストとして一読の価値あり!
第二部「episode41extra 衝撃の演出 雲隠」まで読んでのレビューとなります。
今作の【超訳】含め、作者さまの独自の視点で描かれる『源氏物語』は分かりやすく、今まで堅苦しくて難しいイメージしかなかった『源氏物語』が、親しみやすいものに感じるようになりました。
いつの時代も、恋に悩み、愛を育み、人生に悩み、そして死を悲しむ。
解説付きの【超訳】を読んで、今に通ずるものがあるんだなあ、と改めて思いました。
それから、【超訳】に限らずになってしまうのですが、作者さまの『源氏物語』関連を数作読んで気づいたことがあります。それは、読む前は全くストーリーも登場人物も知らなかったのに、今ではお気に入りの話や人物がいるくらい理解できるようになりましたっ!
続きが読みたくて仕方ないです♪
『源氏物語』が気になる方、おすすめです!