第一章  専門学校編

第一回 専門学校とは何か?

 恐らく、多くの夢見る少年少女は「志す分野を専門に色々教えてくれる学校」だと思っているだろう。

 僕もそうだったのだが、はっきり言って違う。


 専門学校とは、「コネクション作りの場所」である。


 どういうことなの? と疑問に思う読者の為に、今から経験談を踏まえて説明したいと思う。

 

 まず、専門学校は本当に大した事は教えない。

 教えたとしても、基礎中の基礎だ。

 それは学校じゃないと感じるかもしれないが、専門学校はそういう所だ。

 基本は教える、それ以上の事は環境を整えているから各自で学習せよ、そういう事なのだ。

 僕はゲームクリエイター専攻で、入る前はプログラムでの作成方法を教えてくれるのだろうと思った。

 しかし、実際はまずC言語で基本的な構文から入る。それで半年費やすのだ。

 そして、「はい、班を作ってゲームを作りましょう」だ。

 C言語しか出来ないのに、どうやって作る?

 その時に講師から「ここにアシストプログラムがあります。この関数を入力する事で、こんな事が出来ますよ」との事。

 全て用意されているのだ。

 

 意欲が高い人は、そのプログラムを自己解析して改良を始めるのだが、いかんせん僕はそこまで知識がないから、それに至らなかった。ただ、その関数を入力してゲームを作るので精一杯だった。

 ここで、地力の差は明確になる。

 そしてこのチームを組むという所も、コネクション作りの場としての側面が浮き彫りになる。

 実際、僕が知っている中で、その時に組んだチームで会社を起こして、それなりにビッグタイトルの製作を任されているサードパーティ会社を立ち上げた人達を知っている。

 

 そう、夢を叶える人は、入学前からとっくに実践レベルまで引き上げていて、同志を求めている人だった。

 僕みたいに誰かに教わろうとする人間は、理想と現実の違いから早々とドロップアウトした。

 でも僕は足掻いた。

 足掻いた結果、実らなかった。

 実力がなさ過ぎたのだ。


「これ、お前等ゲームクリエイター専攻だけの話じゃねぇの?(笑)」


 とか言っている君、これはどの所でもそうだ。

 声優学科はもっと悲惨なのも知っている。

 漫画・イラストレーター学科も相当だ。

 これは僕の体験談ではないが、介護関係や自動車整備も似たような感じだと、人伝で聞いている。


 これらの僕自身の体験からでもわかるように、大体の専門学校はそこまで深く教えてくれず、広く浅く基礎だけを教えて後は自主性に任せる。

 そこから大成出来るかは、僕達次第だ。

 それに、たまに特別講師で現役クリエイターも来て頂ける事がある。

 いかにしてそこで自分をアピール出来るかにもよって、卒業後の進路は確定する。


 これが、「専門学校はコネクション作りの場」だという理由だ。

 この章は、専門学校時代に感じた事や、僕なりに今必要な事をつらつらと述べるつもりだ。

 よろしくお願いします。

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