夢破れた男の、経験談

ふぁいぶ

第零回 夢を叶えられなかった男の末路


 僕の夢はゲームクリエイターだった。

 

 幼稚園の頃に初めてゲームを触り、そして熱中。

 色々将来の夢をふらふらしていたが、小学校高学年でゲームを作りたいと意思が固まった。

 それからの僕は、自分がやれる事をやってみた。

 RPGツクールでゲーム制作の大変さを学んだ。

 イラストを描いて、キャラクターを生み出す大変さを学んだ。

 小説を書いてみて、ストーリーや文章の構成の大切さを学んだ。

 甘ちゃんな餓鬼が、精一杯可能な限りやってみたのだ。


 そして高校卒業後、親を説得してゲームクリエイターの専門学校に入学。

 ここできっと色々な事が学べると夢想していたが、現実は違う。

 僕は卒業間近になって理解したんだ。

 専門学校は学ぶ場所ではない、って。


 そこからは後の祭り。

 誰かに教えてもらおうと思っている人間が、クリエイターになれるほど甘い世界ではなかった。

 僕は夢を諦め、フラフラ仕事を変えて、現在携帯業界に落ち着いている。


 このエッセイは、夢を見る人や今から追いかけようという人に現実を突き付けて、本当にそれでいいのかを知ってほしくて執筆している。


 夢だけを追ったらどうなるのか?

 もし叶わなかった、僕みたいにただ金だけの為に心をすり減らして働く、ゾンビワーカーになるだろう。

 そうならない為に、今から知ってほしい。

 夢は現実と常に背中合わせで、目を背けてはいけないのだと。

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