ある『悪徳貴族』の半生を描いた大河的叙事詩

ジャンルで言えば内政型異世界転移ライトノベルであるが、そんな陳腐な言葉ではこの作品を語ることは出来ない。

『悪徳貴族』と『邪龍』によって極限まで荒廃した国土を、自らの『悪評』まで利用しつつ蘇生、改革していく序盤から、狂気に囚われたテロリスト国家と大国の陰謀に血ヘドを吐きながら立ち向かう中盤。

内政改革、仲間達との冒険、国を率いての戦争、外国との外交、美少女達とのハーレム(?)、そして神話の時代から続く因縁……あらゆる要素が複雑に絡み、しかしそれはお互いを邪魔することなく、クロード・レーヴェンヒェムという男の生きざまを描く一代叙事詩に昇華されている。

この作品が高く評価されることを非常に喜ばしく思う。

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