超巨大総合動物園「ジャパリパーク」。
そこでは世界中の動物を集め、研究・飼育がおこなわれていた。
公式に展示された物語の裏で、ゲストには明かされぬ物語があったなら…
これはそんな想像の余地を描く、バックヤードだ。
物語全体のトーンは暗く、舞台袖の闇のようだ。そこにわずかな光によって浮かび上がった物語は…
「ひと」化した仮の姿にしたことで、
「けもの」本来の生を奪っているのではないか?
「ひと」が築いたパークをまもるため、
「けもの」をセルリアンと戦わせ、傷つけた。
そういったものだった。
それでも、フレンズは人を、人はフレンズを、信じて友となるという姿があった。
「ひと」も「けもの」も生きるために、それ以上に互いを守るため
災厄に抗ったのだ。
暗闇のなか、確かに輝く希望という星をめざして。
アプリゲームの物語を経て、アニメへとつながる深く暗い、黄昏がパークを包む。
しかし、もう知っている。
希望がいつでもそうであるように、
未来への残滓は確かに残される。
小説がその時を迎えたとき、きっとあの歌が流れるだろう。
「ようこそ」と。
影が濃くなるほど、光は美しく見える。
長い苦悩の先にある、友情、愛情、そして希望。
感動なくしては見られない!
深い考察の元、豊富な知識を織り交ぜながら進む物語の中に、作者さんの動物愛が伝わります。
ゲーム、アニメ、漫画…さらに高畑勲監督の名作も取り入れた、
動物ファーストの世界をつなぐ驚きの発想!
皆さんも、この小説を読んで、更に「けものフレンズ」の世界に浸りましょう!
この作品では多くの人が苦悩します。
動物を、フレンズを思うが故の苦悩。
それは美しくありながら、人が他の動物と一線を画した、異質な存在であることを際立たせています。
過去の過ちを知り、動物を、けものを愛すること、それがパークへの"入園条件"なのかもしれません。