ぼくあるく

ぼくあるく

えっと、17円あまったから、また貯金箱に入れよう。

たしかこないだ数えたら、748円だったから…ん、784円だった？かえってからまた数えればいっか。

よいしょ、ああこの坂長いんだよなあ。こんどパパに自転車買ってもら…あ、いいなああのお兄ちゃんの乗ってるの。かっこいいなあ。

マンテンバイクっていうの、かいと君が言ってたやつだ。かっこいいなあ。ぼくもマンテンバイク買ってもらお。

ああでも、ほしいものはおこづかいで買いなさいって、ママが怒ってたし…

んー、でも784円あるから、あと3回くらいおつかい行ったら、たぶん850円くらいになるから…850円ってすっごく高いからマンテンバイク買えるかな。

だってコンビニでお仕事したら850円もらえるって、書いてあったから。

あれ、あのおばあちゃん知ってる、えっとねえっとね…忘れた。

えっとね、うーん、誰だっけ。知ってるのに。

知ってるのにい…あ、はるかちゃん何してるの？駄菓子屋いったの？

すごい一緒だ、ぼくもね、いま駄菓子屋行ってきてね、これからおうち帰るところなの。なにかったの？ええ、ぼくそれきらい、すっぱいもん。ぼくね、チョコレート買ってね、あとアイス買ったの。そうアメも買ったよ、だけどアイスも買ったの。そしたらね、あのね、当たらなかった。うん。でもたけし君はこないだ当てたって。ウソじゃないもん、だってたけし君が当たったって言ってたもん。

うん、じゃあね。

はるかちゃん家ちかくていいなあ、ぼくまだいっぱい歩くのに。

あ、ネコだ。ニャー、ニャー。わ、こっちくるな。呼んだんじゃないの、わかる？ああびっくりした。

でも誰もいなくなっちゃってつまんないな。うわあ大きなトラック。でもすぐ行っちゃった。

やった、石が落ちてる。

よし。

それ。

えい。

あ、そっちにとんでっちゃダメだよ。

えい。

えい。

よし、この石を坂の上まで蹴っていこ。

それ。それ。

えい。それ。

ちょっとつかれたあ、座ろ。あ、アメなめちゃお。

んっとね、あれ、この袋固い…ああ、アメとんでっちゃった。ああどうしよ、下に転がってっちゃったな。ママが下に落ちたものたべちゃダメって言ってたしなあ。んー。

まいっか、下りたらまた登んなきゃいけないから。ヤダもん。

あ、そうだ、おまけでもう1個アメもらってた。よかったあ。

んしょ、よいしょ、ふう。あ、間違えた、こういうとき大人は、「よっこらせ」って言うんだった。よっこらせ、よっこらせ。

よし、あとちょっと登ったら、そしたら坂じゃなくなって、すぐおうち。

あれ、そういえば石どこいったっけ？そうだ、休んだときに忘れてきちゃった。ま、いっか。

ああ、思い出した。あのおばあちゃん給食作ってる人だ。今日はおしごと終わったのかあ。あれ、今日は日曜日だから学校ないんだった。

おばあちゃんこの坂に住んでたのかあ、知らなかったな。明日かいと君に教えて自慢しよ。

お、坂がおわるからダッシュしなきゃ…やった、着いた、長かったあ。

あれ、ママ何してるの？え、だってね、パパに聞いたら買いにいっていいよって言ったの。うん。そうだよ。よりみちしてないよ。

え、あのね、駄菓子屋でね、チョコレート買ったの、あとアイス。

それでね、はるかちゃんに会って…間違えた、その前に給食のおばあちゃんに会って、

それでね、それとね…