家の奥に案内されたよう

一作目の「紫陽花」からこの話を読みました。

知っている物語を違う角度から読めることに、まるで家の中に招かれたような気がします。

一作目が軒先なら二作目は客間。

雨宿りと一冊の本をきっかけに、交わることの無かった運命が、あらかじめ用意されていたかのような当に采配によって、物語が加速しておきます。

信念としていた母の死で、自らを造り、維持していた自分自身。
良妻賢母の姿勢が、これからどのようにして可哀想な夫から解放されていくのか、とても楽しみです。