色々な意味で悲しいお話

ネタバレを含みますので、読んでいない方は読まれてからをお勧めします。

作者である妹さんのご苦労は相当なものであったでしょう。余裕のない人と毎日多くの時間を過ごすのは、こちらの余裕がなくなるのも当然だと思いました(途中完全にこちらの余裕がなくなって注意する場面があったかと思います。)。また、省いている部分が多い、というのはその通りだと思いました。少しずつしか進歩せず、そして、本当に様々な感情が巡るものの、それを小説に書くのは、まとめるという点でも難しい作業でしょう。最後は安定して良かった、という気持ちは確かに大きいですが、作者さんが疲弊して体調を崩しはしないかというところが心配になりました。

実話であるので、多少無責任な発言になるかもしれません。適当に流していただいても構いません。
初め読む前に、統合失調症と書かれていたので、まず、発達障害との誤診を疑おうと思って読み進めていきました(発達障害の人が、現実との間で不適応を起こすと、統合失調症と同じような病態を示すことがあります。)。その線で、各章を見ていきます。

第一章
いじめ→PTSDのフラッシュバックが出来ていないかどうかが心配です。後の章で出てくる暴力とかが、フラッシュバックによって振るわれているものが少しは入っているかもしれないが、どうなのだろう、と。
うまく話ができない→コミュニケーションに困難があるということでしょう。
悪くない→裏表がなく、純粋な感じがするということでしょうか。
忘れられない→記憶力が高いということでしょうか。傷つきも強く残ると言えるかもしれません。

第二章
おかしい→独特の世界観を持っているのでしょうか。
小さな石ころが好き→物とか形が気に入っているのでしょうか。
ますます話すのが苦手に→昔から出来ないという自己肯定感の低さがあったのかもしれません。それにさらに辛い体験が積み重なって、現実との間に不適応が生じてきているのかもしれません。
アトピー、お風呂嫌い→感覚の過敏性があるのかもしれません。感覚が鈍感なところもあって、それでお風呂に入る時間が長くても大丈夫なのかなあ、とも。

第三章
しがみつくと離れない…(以下略)→こだわりが強い、ということでしょうか。
震災の予兆を感知→先ほどの感覚過敏の延長かもしれません。その異常感覚能力を使って捉えることが出来る人もいるようです。

第七章
幻聴・幻覚→幻聴や幻覚が本人と敵対するような形で出てきている場合は、発達障害である可能性が高いようですが、どうだったのでしょう。

読んでいきましたが、どちらかなのかははっきりしませんでした。発達障害の可能性は捨てきれない、という感じでしょうか。(僕であれば、発達障害関係の本を読んで、特徴がみられるかどうか確認したりしてみたくなりますが。)双極性障害や胎児期愛着障害(境界例)の有無は、文章からは全く検討がつきませんでした。所詮、一般人の戯言です。

発達障害であれば、サプリメント療法を用い(化学物質過敏性で副作用が出やすい人が多いが、サプリメントなら大丈夫)、徐々にトレーニングを無理なくしていく。(詳しくは、質問して下さい。)発達が凸凹しているだけで、発達が進んでいけば、生きるのが楽になっていきます。
統合失調症であれば、自分が大丈夫な範囲に生活圏に徐々に狭めていって、内界に関する質問は控えて、薬の調整だけ、という形になるでしょうか。

お姉さんはもちろんですが、作者さんは、色々と気を遣って大変なのだろう、気疲れを起こして倒れはしないだろうかとか、やっぱりそれが非常に心配になる小説でした。

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