毎日がバイオレンス! 底辺の意味を思い知れ!

彫刻刀で刺された被害者にも関わらず、悪者にされてまともな進学の道を断たれた主人公。
居住区たる埼玉県から追われる形で東京都内の工業高校へ進学した彼は、そこで「真の底辺」を見る!

最初に言っておきます。普通に暮らしてらっしゃるみなさまには信じられないことが多々起きる本作ですが、オークやゴブリン(そこそこ以上に比喩ならず)は本当にいますし、人の頭はよく弾むものなのです。

まあ、細かいネタ(?)は本編で確認していただくとしまして……
エッセイというのは著者さんの日常を綴ったリアルさが読みどころになりますが、そのリアルの質が普通とちがいすぎてファンタジーに至っているのが注目ポイント。

当たり障りない部分を引用させていただきますと、高校が舞台の青春エッセイで『半殺しって無理ゲーですよね?』ですからね。バイオレンスが過ぎます!

しかし、だからこそ異世界を垣間見ているようなおもしろさもあって、読み出すと止まらないんですよねぇ。
日常という名の不条理、そのギラついたリアリティをお楽しみください。

(秋こそガッツリ!長編4選!/文=髙橋 剛)

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