二百万字弱で紡がれた膨大なストーリー。
確かに、WEB小説の体裁に慣れ親しんだ人であれば、気後れして回れ右をしてしまうのかもしれない。
だが、ちょっと待ってほしい!
自分はこのカクヨムに「小説」を読みに来た! という方であるならば、それはもったいない! もったいなさすぎる!
物語の注目点、要諦、あらすじについては他に優秀なレビューが多いのでそこを参照いただくとして、私はこの小説がいかに「読みやすいか」ということを語りたいと思います。
まず、話が小難しそう、とっつきにくそう、と思ったあなた。それは誤りです。
この小説のツカミ、骨子の部分は「ボーイミーツガール」なんです。
ひとりの青年とひとりの少女が出会い、デカい事件が動き出す! 極限まで簡略化するとそういうことなんです!
そこを押さえた上で読んでいきましょう。するとあら不思議、色んな読み方ができる、ということに気がつくと思います。
ミステリー? ファンタジー? SF? 恋愛もの? 人間ドラマ? 任侠もの? アクションもの?
もちろん、これらがとっ散らかっていたら読みにくいことこの上ないですが、この作者さんは違います。全部綺麗に纏め上げて、しっかりと書き綴ってくれています。
なので読者は迷うことなく、好きな読み方ができる!
話には一本筋がしっかり通り、見せる、読ませる点では全くブレない。だから読者は安心して、ミステリーが好きならミステリーの、恋愛が好きなら恋愛ものの、人間ドラマが好きなら人間ドラマを……という具合に好きなところに注目しつつ、自由に読めるのです。
章の合間にはあらすじと人物紹介も挟まり、親切この上なし。
話のここに引っかかるかな、というところに手を差し伸べつつ、肝心な部分は黙ったまま、読書の楽しみを奪わない。
なかなかありませんよ、こういう小説、こういう作者さんは!
どうです? 最初に「二百万字弱もあるのか……」と思ったあなた。
そうです。二百万字弱もあるんです。どっぷり浸かればもう、それだけたくさん楽しめてしまうんですよ!
そんな私のおすすめの読み方は、もちろん人間ドラマ。
ヒトクセもフタクセもある連中が織りなすドラマですもの、面白いに決まってます。
それを軸に、ミステリー、恋愛などの色んな見方を加えることによって、また見える景色が、その彩りがどんどん変わっていく――
とまあ、こんな私の出来の悪いレビューをつらつらと読んでいるヒマがあったら、すぐに本文へゴー!
一緒にこの小説の世界にどっぷりと浸かりましょう!
200話を超える超大作の、ほんの一部(第1部第1章)を読んだだけですが、ハッカー(厳密に言うとクラッカー)が戦闘アクションもできる頭脳派で〈猫〉を名乗り仕事中にOAグラスをかけているだなんて超個人的な理由で推せる……っ!(ここまで一息)
それだけじゃない。
ヒロインの心が強い……!芯のある気丈な振る舞いが貴族令嬢としての美しさを表していて推せる……!家族思いなところも健気可愛いです。
こんな東洋SFなハッカー(クラッカー)もので任侠でアクションでボーイミーツガールで陰謀渦巻くを読みたかった……!
ありがとうございます、大事に読み進めます!
【その出逢いによって全てが動き始める】
第一部では主人公とヒロインが恋仲に発展するが、その経緯を明かすのを目的としているわけではない。
・この物語は、人によっていろんな見方をすることが可能。
恋愛もの、ヒューマンドラマ、さらにはミステリーという観点からも楽しむことができる。
ジャンル的にはSFファンタジーではあるが、この場合のファンタジーとは”架空”を表しているのではないかと思われる。SFと言うと、近未来や宇宙戦争などを思い浮かべてしまうが、この作品での時代は”近現代”というイメージが一番近い。そして舞台は”東洋、あるいは上海”の裏路地や街並みが浮かぶのだ。
銃の存在する世界観ではあるが、その中で凶賊と呼ばれる人々は刀を武器としている。そこには彼らなりの理由がある。
つまり、ハイテク化したものを指して”SF”というジャンルにしているわけではなく、物語に関する重要な部分に”SF要素”を含んでいるのではないだろうか?
【賽は投げられた】
物語の開始当初、貴族であるヒロインはある人物の策略により、凶賊鷹刀一族の総帥元へ”捕らえられた親族を助けて欲しい”とやって来る。正に、何かの計画のスイッチが入った瞬間なのだ。彼女を送りこむことは、まるでドミノを倒したように、次々と主要人物に影響を及ぼす結果を生む。
【ヒロインはお飾りではなく重要な役回り】
ヒロインの家である藤咲家で起きている誘拐事件は、あくまでも発端の事件にしか過ぎないがその事件を起こすことで、いろんなことが明るみになっていく。つまり何故、ヒロインの家族が誘拐されたのか。誘拐されると何が起こるのか? そちらの方が重要なのではないかと感じた。
【判断と思考、行動が齎す分岐】
一括りにヒューマンドラマとしてしまうと、この物語の面白さは伝わらないだろう。主人公とヒロインの物語ではなく、凶賊鷹刀一族が中心となった物語である。この一族の抱える過去と現在が結びつき、複雑化している。登場人物それぞれが辛い過去を抱えており、それらが今回の事件、あるいは計画と関わっていると感じた。
*齎す……もたらす
【壊されていく、日常】
ヒロインの少女は選ばれた。彼女でなくてはならない理由があったのだ。
藤咲家はその為に犠牲になったのではないだろうか?
その後、凶賊鷹刀一族の魅力を知る貴族の藤咲姉弟、同じくこの姉弟の魅力を知っていく鷹刀一族。本来なら交わることはなかったはずだ。
父の誘拐事件は、簡単には終わらない。救い出して終わりという単純なことではない。彼らは何を手にし、何を失ったのか? そして主人公とヒロインの恋も結ばれて終わりというわけではないのだ。運命に踊らされ、大切なものを自らの意志で手放さなければならない人々。彼らが最後に掴むものは、一体何だろうか? 同時並行で様々な人々の思惑は交差し、複雑に絡み合い、そして時は進んでいく。
*備考……藤咲家の誘拐事件は二件起きている。
【誰が味方で、誰が敵なのか? そもそも敵は存在するのか?】
この物語で重要な”糸、繋がり”を持った人物が複数いる。初めは彼らに対し、”鷹刀一族にとって敵対する人物だ”という印象を受けるが、そんな簡単に説明できる関係のものではない。
それぞれが事情を抱え、中には危うい立場の者もいる。駆け引きはもちろんだが、相手の真意を探ることで見えてくる真実も多い。
誰が誰と手を組むのか?
心理戦でそうなることもあるが、それよりも彼らは心で繋がっていく。大人や子供関係なく、立場も超えて。もちろん初めから心を開いているわけではないし、そこには計算もあるだろう。
しかし互いが認め合い対等となった時、状況は変り、関係も変わっていく。初めは、良い印象を持たなかった相手に好印象を持つのは、何も物語の人間関係だけではない。読者の気持ちも共に動いていくのだ。
知るとはすなわち、相手を理解をすること。互いが影響を与え合うこの物語の中では、老若男女関係なくそれぞれが成長していくのだと感じた。
【幕間は決しておまけではない】
幕間は緊張感などをほぐす、ちょっと小話のようなもの。しかしこの作品では、確かに一度、緊張感をほぐす役割は果たしているものの、大事な過去の出来事が多く、より物語を深く知ることに一役買っている。
【事件が繋がる時】
この物語の中では藤咲家の誘拐事件とは別に、貧民街で若い女性の死体が出るという事件が起きている。初めは、主人公が情報屋のところに向かった時にさらっと出てくる事件である。そのため、あまり深く考えずに読んでいると、物騒な世の中なんだなと言う印象を抱くだけに留まる。つまり世の中の状況を指し示す、一つの演出なのかと思い、さらりと通り過ぎてしまうのだ。
この作品がミステリーに感じるのは、伏線の繋がりかたにもあるのではないかと思う。何気ない言葉から、誰が何を気づくのか? そしてその結果どう動くのか? 人の心は読めない。そして行動の全てを把握できるわけではない。だからこそ、時に意図しない展開となり、危機的状況に陥ることもある。緊迫した場面の多い作品だ。
【事件の影にちらつく〈七つの大罪〉】
鷹刀一族と言うのは、近しい者同士で婚姻を結んできた家系でもある。その為、関係が複雑な者もいる。そして鷹刀一族は前の総帥の代に〈七つの大罪〉というある組織と繋がりがあった。現在は関りはないようだが、この組織の影が事件の中で見え隠れしてるようだ。果たして彼らの目的とはなんなのか?
どこまでが計画通りで、なにが想定外なのか?
一見、平和解決したように思える第一部だが、まだ黒幕が誰なのか分かっていない。計画の一部も明かされたばかりだ。知らず知らずのうちに計画に巻き込まれていく主人公たち。その結末とは?!
【注目の人物たち】
色んな人々が複雑に絡み合って、全体像が分かるスタイルの物語。その為、主人公とヒロイン以外に気になる人物たちが存在する。ここでは個人的に気になる人物をご紹介。
・鷹刀ミンウェイ……冒頭の方では気遣いの出来る一族の美女という印象だが、次第に重要な人物であることが分かって来る。
・藤咲ハオリュウ……囚われた、ヒロインの弟。12歳だが、この物語での貴族とは何かを考えさせられる。
・緋扇シュアン……始めの頃は狂犬と呼ばれる計算高い、貴族、凶賊どちらも嫌う警察隊の一人という印象だが。
・斑目タオロン……初めは鷹刀一族と対立する凶賊の一員という印象だが、彼の境遇を知ると見方が変わってくる。
【物語の魅力の一つである会議】
この物語の中心となっているのは、凶賊と呼ばれる人々。凶賊を簡単に例えるならば、マフィアなどのイメージが近いだろうか?
鷹刀一族はその中で、異彩を放っている。彼らは無益な殺生をしたり、一般人に危害を加えたりすることを望んではないのだ。そしてこの一族は、絆と結束力が強い。一族の者たちの性格は似ているところもあるが、それぞれ異なり武力のみの集団ではない。もちろん熱くなるタイプの人物もいれば、冷静沈着な人物もおり、論理派で戦略に長けた者もいる。彼らにとって情報は要。
ミステリーとして楽しめると前述したが、鷹刀一族の情報交換や作戦会議にあたる部分は、刑事もの、探偵ものどちらのイメージとも異なる。むしろ、映画などで見かけるアメリカ軍部の会議が近いという印象を持った。
そこがとても面白いところだ。
【新しい風と失ったもの】
彼らが払った犠牲は、決して安価なものではない。みなそれぞれ、大切なものを失いながら、それでも前に進まなければならない。手を差し出し、救いを与える者もいれば、助け合い協力し合う者もいる。振り返らずに、強く歩き出す者もいるだろう。しかしまだ、本当の戦いは始まったばかりだ。一族が集まる会議では、主人公の知りたかったことが明かされ、ヒロインの向かう先では、鷹刀一族の抱えた闇の部分や真実が語られていく。何が原因で何が始まりだったのか?
家庭内事情と共に明かされる真実には驚きを隠せない。彼ら、すなわち鷹刀一族が〈七つの大罪〉という組織とつながっていたことが重要となって来る。複雑化しているのは、近い血で婚姻を結んでいるからであり、その理由がなんだったのか? なども明らかになっていくのだ。そこにこの一族の絆の強さが秘められてることは言うまでもない。
【計算された構成とストーリー展開】
ここまで作品の魅力について語ってきたが、第二部で明かされるのは第一部で散りばめられた、伏線についてのことが多い。第一部は物語の完成度が高く、単体でも満足してしまいそうだが、ミステリー好きとしてはここからが更に面白い展開となっていくと感じた。
第二部では何気なく登場人物たちが話していた内容について、深く切り込んでいくのだ。主人公、鷹刀ルイフォンは一族の中で少し変わった立ち位置にいる。それは生まれのせいもあるだろうが、武闘派の多い鷹刀一族において頭脳派であることが関係している。彼一人で鷹刀一族に匹敵、あるいは壊滅させることもできる力を持っているのだ。対等であるからこそ、駆け引きや計画に面白味を感じる。頭脳、心理、はかりごと、武力、絆、過去、色んなものが複雑に絡み合い、物語を彩っている。全ての糸が繋がる時、この事件の全容が明らかになる。果たして、彼らの為すべきこととは? この物語の結末は……?
あなたもお手に取られてみませんか?
彼らの未来の行く先を、是非その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。
貴族の少女と、凶賊と呼ばれる裏世界を生きる一族の少年。
決して出会うことのない二人ですが、少女が凶賊に助力を求めたことで出会います。そして、そこから運命の歯車が大きく動いていきます。
第一部は「出会いと始まり」、主人公二人の出会いを主軸に、それを取り巻く個性溢れる登場人物が、敵味方関係なくこれでもかって出てきます。
ナイスミドルな魅力溢れる凶賊の総帥、どこか影のある草の香漂う美女、狂犬と呼ばれる警官、人畜無害そうな若き貴族の息子、敵にするには惜しい真っ直ぐな男と天真爛漫なその娘、そして不気味な真の敵──。
これだけのキャラを書き分けてつつ、複雑に絡み合った話をきっちりと進めてくる作者さんの力量にまず脱帽です。
第二部は「理解と変化」、一部で隠されていた部分が次々と明かされていきます。「デヴァイン・シンフォニア計画」とは何か、そもそもの始まりは何か。
同時に登場人物の過去もいろいろと明かされていきます。
それは次へと進む新しい情報であったり、苦しみ抜いた果てに手に入れた幸せであったり、過去への決別であったり。
主人公たちだけでなく、出てくる人物はどれも人間味あふれ魅力的。そのキャラたちが自分たちで考え悩み、未来に向かって進んでいきます。
「生きるとは」という大きなテーマを、王族・貴族たちの権力争いなどを交えて描いたとても読みごたえのある物語です。
もちろん、主人公二人の甘い恋も忘れずに! ここ、大事。
貴族の少女、メイシア。平穏な日常を送っていたはずの彼女だが、凶賊に家族を捕らえられてしまう。
震える身体を落ち着けて、決死の覚悟でとある場所の扉を叩いた。
はっとさせられる仕掛けの連続と、丁寧に描かれた世界観に物語の中に入り込めます。
そして、作者様の作り出すキャラクターのなんと魅力的なことか。
特に私の推しはルイフォンさん。その気怠そうな雰囲気がまず素敵。からの素っ気なくしておきながら、ちゃんと見ていてくれる言動が素敵。そしてそして、決めるところはビシッと決めてくれるそのカッコよさが素敵。
好きにならないはずがない、恋に落ちる音がしました。
長々と語りましたが、何が言いたいかというと、みなさん読んでみてくださいってこと。虜になること間違いなしですよ!
格調高い文体で描かれる、多くの魅力的な登場人物が織りなす物語。そのきっちりとした仕上がり具合に賛辞を贈りたい所存です。
ストーリーのドラマティックさに加え、キャラの造形や話の作り方がちゃんと読者を楽しませるための工夫がなされており、そのエンタメ性の高さにも目を見張るものがあります。これだけ多くの登場人物をこうもきっちり全員余す事なく魅力満載で描写できているのは本当に素晴らしいの一言。
ネット小説として置いておくにはかなり勿体ないレベルでございます。
物語はまだこれからの様相を呈し、ちょうど今、重大な局面を迎える下準備のような場面でのレビューは正直どうかとは気が引けるのですが、ともかくこの作品の魅力を皆さまにお伝えしたい欲が勝った次第。
コンピュータ関連の技術は発達してるのに刀を振り回してるような世界観で、初めはどういう舞台設定なのかいまいちピンと来なったものですが、それとてストーリーの上での仕掛けなのかと思えるような展開を見せてきました。
ますます目が離せなくなること請け合いです。
是非とも、結末を見届けたい!
目の前に情景が浮かんでくるかのような繊細な描写で、かと思えば戦闘シーンではテンポよく、緊迫感がひしひしと伝わってきて思わず息を飲みます。
複雑な人間関係が物語を彩りますが、どのキャラクターにもしっかりと練られた設定があるのか、登場人物が増えるとありがちな誰が誰だか分からないという状況には全くなりません。
むしろ名前だけでしか出てきたことのない人物でさえ、多少次の登場まで間が空いてもすぐに「ああ、あの人か」と思い出せる程いつに間にか強く印象付けられています。
登場人物だけでなく彼らを取り巻く環境も緻密に描かれており、結構重厚な設定ですがそこはキャラクターと同様すんなりと頭の中に入ってきます。
一度読み始めたら止まらなくなるので、ゆっくり時間が取れる時にオススメです。
私は細切れにしか時間が取れず、このレビューを書いている時点ではまだ三章までしか読めていませんが、早く続きを読みたいような、でも楽しみは取っておきたいような、そんな気持ちになる作品です。
一言で言うのであれば、格好いいと評価してしまう自分と、ズルいくらいに楽しめます!
この物語の世界観は、洋風を思わせながらもキャラの名前は中華風?言葉が適切かどうかはわかりませんが、キャラもとにかく個性豊かです。
ルイフォンなど、少しアニメの鋼殻レ○オスの主人公を思い出しながら、勝手に脳内でイメージを膨らませていました(笑)
地の文も読みやすく、まさしくライトノベルのお手本と言わんばかりで惹き付けるのが上手すぎます。
設定も緻密で文章も綺麗で、プロが書いているようなので、勉強にもなります。
読者、所謂読み専の方々もこの作品に触れると描きたい衝動に陥るので注意ですね!(笑)
ハードながらも王道なボーイミーツガールから、物語は始まります。
蓋を開けてみると、隅々まで綿密に繊細に張り巡らされた人間模様に度肝を抜かれるのがこの作品。
一話一話が濃密で、息つく暇もなく惹き込まれていきます。
味方も敵も入り乱れるため、はらはらしながら見守る展開には、何度翻弄されたか分かりません。
主人公周りはもちろんですが、味方側も敵側も丁寧に描かれており、無意味な人など一人もおりません。
美しい文章や背景描写はもちろんですが、特に心理描写が秀逸です。
彼らの心の動きに、何度泣かされ、何度踊らされ、何度希望を見せてもらったか。
この物語を読み終わった後、必ず自分の中に大切な何かが残ります。
後悔はさせません。是非とも、手に(目に?)取って頂ければと思います。
天空の神フェイレンと同じ色を持つ王族の他は、黒髪黒目の大華王国。王族、貴族、平民、自由民という四つの身分制の国だ。クラッカーとして情報を生業にする少年ルイフォンは凶賊・鷹刀一族総帥の末子でもあった。近親婚を繰り返す鷹刀一族は皆美しく聡明で強い。人工的に最高傑作の遺伝子を有する一族であり、未だ謎も多い。一般にはただ力ある凶賊組織のひとつとしてみられているであろう。現総裁鷹刀イーリオは血で血を灌ぐ抗争の後、今の凶賊・鷹刀を作り出した。時期総裁候補は長兄エルファン、その次男リュイセンは性格こそ違えど姿や声は酷似していた。
デヴァインシンフォニア計画。その計画者はせめてもの罪滅ぼしにと、一人の少女を差し向けた。強くまっすぐで穢れなき魂に魅了され、物語は加速する。
神と天使と悪魔と人。情報と計算と感情と記憶。無垢な彼らはいつしか、世界の裏側へ足を踏み入れようとしていた。
(↑叶遥斗解釈につき誤りが含まれる可能性がございます)
というわけで、ざっくり振り返った概要をまとめてみましたがあってますかね?間違ってたら教えてくださ(ry
ルイフォンとメイシアのMake Loveを楽しむもよし。王族貴族凶賊と闇の組織の世界情勢とこれから起こる大事件を楽しむもよし、各種イケメンがいいこと言ってくれるのにハァハァするもよし。知的好奇心を存分に満たして楽しませてくれる完成度の高い逸品です。
文章でここまで魅せることができるのかと、1話目冒頭を読んだだけでも舌を巻いてしまいました。
五感でナチュラルに表現されたのどかな雰囲気。リアルでテンポの良い戦闘描写。場面に彩りをもたらす演出。時間のある時にゆっくりと浸りたくなるような、心地良い文章です。
また特徴的なのは、その世界観です。
凶賊たちが刀を振るい、貴族のような特権階級が金の力でそれらを支配する――そんな世界でありながら、近未来的な要素も入り込んでいます。すんなり物語に入っていけるのが不思議なくらい、独創的な世界です。
私のレビューを読むより、実際に物語を読んだ方が手っ取り早いかもしれません。ぜひ、最初からじっくり読んでみてください。1話目まで読んだら、もうこの物語の虜になっているでしょう。
愛する父親と異母弟を助けるため、我が身を犠牲にする覚悟で凶賊と呼ばれるマフィアの巣窟へ足を踏み入れた貴族の少女、メイシアと、彼女と行動を共にすることとなった、凶賊の青年・ルイフォン。
しかし、二人の出逢いすら仕組まれた罠で――?
まず目を惹かれるのは、絹織物のように美しい文章。
そして、会話が進むごとに、見えていなかったものが見え、そうだと信じていてものが覆るかのような、よく練られた重厚なストーリー。
さらにさらに、流麗な描写で、出てくる人物が脇役に至るまで、魅力的で奥行きのある人物に描かれています。
もう、これでハマらないほうがおかしいです。
この素晴らしい物語を、ぜひ堪能してください!