美しい文章で描かれる重厚なファンタジー

目の前に情景が浮かんでくるかのような繊細な描写で、かと思えば戦闘シーンではテンポよく、緊迫感がひしひしと伝わってきて思わず息を飲みます。

複雑な人間関係が物語を彩りますが、どのキャラクターにもしっかりと練られた設定があるのか、登場人物が増えるとありがちな誰が誰だか分からないという状況には全くなりません。
むしろ名前だけでしか出てきたことのない人物でさえ、多少次の登場まで間が空いてもすぐに「ああ、あの人か」と思い出せる程いつに間にか強く印象付けられています。

登場人物だけでなく彼らを取り巻く環境も緻密に描かれており、結構重厚な設定ですがそこはキャラクターと同様すんなりと頭の中に入ってきます。

一度読み始めたら止まらなくなるので、ゆっくり時間が取れる時にオススメです。
私は細切れにしか時間が取れず、このレビューを書いている時点ではまだ三章までしか読めていませんが、早く続きを読みたいような、でも楽しみは取っておきたいような、そんな気持ちになる作品です。

その他のおすすめレビュー

新菜いにさんの他のおすすめレビュー278