友達にすら素直になれない不幸美人 1

不幸美人の宝といったら、やっぱり同性の友達よ。


だって、不幸美人はいつも男に泣かされるから、慰めてくれる友達はとても大事。


しかも、類は友を呼ぶって言葉通り、不幸美人の友達は大抵不幸美人なんですもの。


しかも、同じような経験をしているから、悲しさや悔しさは、共有できる。むしろ説明すら必要ない、まさに、あうんの呼吸なの。


不幸美人の友情は、まるで高校球児の絆のごとし強いの。


だから、不幸美人が失恋した時、いつだって側にいてくれるのは不幸美人友達。


「男なんていらないよね」


「うん、うん。いらない」


「そもそもさ、あたし、あいつのこと別にそんな好きじゃなかったし」


「え?そうなの?だって、あんなに追いかけて、すがって…」


「だぁかぁらぁ、なんか、ほら、前の恋が終わって落ちてた時に、タイミング良くあいつが現れて、それで、つい、ね」


「そ、そうだよねぇ。寂しかったんだよね?」


「そう!そうなのよ!寂しかったの。今思えば誰でもよかったの」



はい、ストップー!


こんな会話しちゃってる不幸美人の皆さん。ちょっと待って下さい。


あいつの好きじゃなかった?


寂しかった?


別に誰でもよかった?


そんなわけねぇだろ。このばかちんが。



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