東ドイツから見た等身大の欧州紀行小説です。

現地滞在者として何年にも渡って東ドイツを観察してきた方の紀行小説です。
現代史を背景に、西ドイツと比較しながら東ドイツを説明しているので、非常に解り易いです。
個人的には、東ドイツも大半の国民には良い国だったのよ、というのは驚きでした。私達は、知らず知らずのうちに、洗脳というか、先入観を植え付けられているのが分かりました。
結局、どの国の人も、大半の平凡な人は良い人なのよ。多少のクセは有るけど。という内容の紀行小説ですが、心が優しくなれる読後感が有ります。
また、難民問題や右傾化問題なんかの昨今の欧州のニュースを見る際に、この作品を読んでおくと、そういう事なのねと納得し易いと思います。
また、双葉あきさんの「へなちょこインド旅行記」と読み比べてみると、この作品の面白さが余計に分かると思います。”評価”の第一歩は”比較”ですから。
それに「へなちょこインド旅行記」も大変面白い紀行小説ですから、読んで損は有りません。

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