第8話 有名人
「そういうことなのよ、ア・ナ・タ」
まぬこ姫、いや、そのキモいおかまはこう続けた。
「あなたにいきなり月に来てもらうのは申し訳ないからぁ、あたしがはるばる地球に来てあげたのよん。ぶゅふふふ。」
「あ、あの…、かぐや姫ってあのかぐや姫…?」
「そうよ、あたし地球では有名人みたいね。ぶゅふふふ。」
「は、はあ…。」
話が区切れるのを待っていたのか、黒服の男がまた話し始めた。
「我々は月から姫の旦那様に適切な人物を観察しておりました。すると、日々の行動、容姿、色々な要素を加えて吟味した結果、見事あなた様に決定いたしました。よっ、色男!!」
唐突に拍手を始める男。そうか、こいつも頭おかしいんか。
「いや、あの、話に水を差すようで悪いんですけど、僕、今彼女いるので結婚は無理です。」
「ふむ、そうくると思っておりました。それも我々は調査済みです。お相手の方は高校1年の時に同じクラスだった
「…あの、一旦警察呼んでいいです?」
「ダメです。……ええ、話を戻しますと、あなた様には彼女がいる。一般的に考えて、結婚は不可能です。しかし、我々はこう考えたのです。あえて不利な状況においてこそ、真の愛が生まれると。」
「つ、つまり…?」
「これから半年、まぬこ姫と栗野様があなた様を奪い合う、"愛の
かくして、宇宙一馬鹿馬鹿しい決戦が始まったのであった。
月を恨め @wakken
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。月を恨めの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます