あとがきに替えて;おまけコンテンツ
だから、☆が3桁になった。《実用編》俺の裏技、種明かし
とある手段を使ったら、俺の☆は3桁を超えた。
7/19に完結済の1話完結作品として公開後から1週間☆32で止まっていた俺の拙作は、手段使用3日後に☆100を越えた。
たかが100、好きに笑え。しかし俺には尊き100だ。だから、ここに宣言する。
――この方法で、貴方もまだまだ戦える。がっつり☆を稼いでくれ。
前振りなんざ、これで良かろう。ウェブノベルは
ぶっちゃけ、改稿だ。
魔改稿、とでも呼んでおこう。現状での負けを認め、微調整で済ませず構成レベルまでギタギタに
「バカ野郎、今さら改稿してコンテストに間に合うか」と貴方は怒るかもしれない。その通り。悪いが俺はドラちゃんじゃない。
俺の魔法は遅効性だ。
だがしかし。条件を満たせば効果は抜群だ。貴方の今後に、きっと役立つ。
魔改稿の手順やリスクを、「おまけコンテンツ」としてここに公開する。肌に合わなきゃ、悪いがさっさと帰ってくれ。
役立ちそうなら、使えるトコだけ使ってくれ。俺は好き勝手歌うから、気が向いたときだけ聞いてくれれば良い。
◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇
《実録》 魔改稿のやりかた
◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇
(1)完結させて、意見を集める。
(2)手応えから勝敗を判断する。(負けなら魔改稿を検討)
(3)意見・批評を整頓し、問題点の全貌を掴む。
(4)列挙した問題点の重篤度を判断する。
(5)自分は何がやりたいか。そこを判定軸に、ストーリーを再構成。
(6)微調整。
(7)あとは書け。躊躇うな。やりきれ。ただし時間制限付きだ。
以上7項目について、俺の実例付きで語っていく。
***
(1)完結させて、意見を集める。
大長編だとそうは行かないかもしれんが、この原作コンテストはたった3万字だ。
物語の全貌が見えなければ、最終的な評価は下せない。(応援レビューは途中経過で十分だが、ストイックな意見は全貌を晒さなければ得られないと俺は思う。)
カクヨムで普通に掲載してるだけでは、厳しい意見は貰えない。(俺も滅多にキツいこと書かない。テロ扱いは御免だ。)
でも、今回は兎も角ストイックに意見を求める必要があり、近況ノートで「叩いてくれ!」と叫んだり、親睦のある書き手さんに直接聞きに行ったりした。ライトノベル作法研究所にもお邪魔した。
……ボコボコにして貰えた。
***
(2)手応えから勝敗を判断する。(敗けなら魔改稿を検討)
投稿開始から1週間。「あ、やべぇ、負け確定だわ」と、悟った。
アップした時点では「これなら、それなり戦えるだろう」と思えるレベルだと考えていたのだが。
三万字推奨の当コンテスト、敢えて一万四千字まで削ぎ落として望んだ。単刀ド直入で行こう。目にも見えない早さで結末まで一気に持って行き、ミステリー的な構成でストンと落として奇をてらおう。感情描写は希薄にとどめ、読み終わったら透かし彫りで今後の展開を予測できるようにしよう――と。まぁ、試み自体は悪くはなかったと思う。
だが、完敗だった。
カクヨムで、成績が伸びない。☆は基本的に2個(←誓って言うが、賜った☆にケチ付けてる訳じゃない)、そしてレビュー無しの☆が多い。つまり、「なんかいろいろ書いてある気がするけど、結局よく分かんなかった」という示唆だったと思う。
一方、ラ研は分かりやすい。ユーザーさんたちは問題と認識した箇所をザクザクハッキリ教えてくれる。そこにシビれる! あこがれるゥ!
カクヨム近況ページを含め、1週間に全13件の意見を集めた時点で未来が見えた。
――こ の 戦 、 負 け る 。
ちょっとヤサぐれた。
「なんかもう、カワイイらぶこめとか書いちゃおっかな☆」とか、思った。(手編みマフラーが物理的に重たくなっていくSFとか考えた。)
でも
そして俺は、魔改稿に挑んだのだ――
***
《魔改稿のリスク》
(3)に進む前に、リスクについて明記する。
描写不足を補う程度のプチ整形なら安全だ。
だが
ヘタすると山が崩落する。
読者が知らないバックグラウンドをすべて頭に突っ込んだ状態で執筆するから、先入観が暴走し易い。
欠陥のある世界の話は書き捨てて、問題点だけ拾って次の世界を作る方が生産的だとも思っている。
だから俺は、改稿があまり好きじゃない。
それでも今回、初めて魔改稿に挑んだ。
戴いた数々の指摘を整頓した結果、「世界観自体はこのままでもイケる」と判断できたからだ。
→(3)に続く。
***
(3)意見・批評を整頓し、問題点の全貌を掴む。
13人の意見を箇条書きで並べると、おもしろいほど良く被った。
(a)設定・作中ルールが全体的に説明不足で訳わからない。(10件)
(b)ミスリードが失敗している。(ミスリードに関するコメントは全7件
件。うち2件が「バレバレ」、2件が「意味不明」)
(c)後半がダメ(3件;映像映えしない/なんか薄い/放り出された感じ)
(d)戦闘が薄い(3件)
(e)キャラ描写が足らない(2件)
捕捉として。旧稿(Ver.1)は、ミステリー構成を目指した二部構成だった。
前編[1]13歳の少年魔女が、とある街で呪いを破壊する話。
後編[0]19歳の主人公が、とある森で呪いを作る話。
後編は前編の6年後のストーリー、と見せかけて実は14年前の話。後編の主人公は[1]の少年ではなくその母親(=すべての元凶)なのだが、ミスリードを誘導。結末で明かす。
という意図だったが、みごとに玉砕している。
***
(4)列挙した問題点の重篤度を判断する。
前述(a)~(e)を、深刻な順に並べてみた。
(b)ミスリードが失敗している。
ミスリード狙いのつもりが、少なくとも三分の二の読者で失敗。深刻すぎて胃が痛い。
(a)説明不足
舞台背景の説明が足りない。キーワードの説明がない。……まったく、予想外の指摘だった。
これくらいの説明量で、成立すると思っていたのだ。
今回、可能な限り削ぎ落として軽量化することを目指していた。
……削ぎ落としすぎた!
先日。息子と行った動物園で、フクロウの胸を触ってきた。
モコモコしているあの体。触ってみたら、驚くほどに胸板が薄い。
めっちゃくちゃ装甲が薄いのだ……彼らは防御力を最低限に抑えることで、獲物を捕らえる瞬間速度を得たのだろう。
そして、俺は天啓を受けた。「野生生物は、それくらい突き抜けなくちゃダメなんだ。なら俺も、次作は可能な限り
ところが残念、逆に装甲が薄すぎた。
誰も彼もが「説明足りない」と訴える現状にはかなりビビったが、深刻さは感じなかった。
だって。削ぎ落としてただけなんだもん。
「考えてたけど書かなかったこと」を、今度はきちんと書けばいい。
だが説明を増やせば、ストーリーと説明のペース配分が崩れる。やはり構成を考え直さなければと思った。
(c)後半に魅力がない。
この批判は、予測していた。書いてる俺も、つまんねぇなと思っていたから。ボリュームも前半より少なくしてあり、「後半はサクッと読めて最終的にミスリードでストンと落とせれば成功」と考えて作った。
が。前述の通りミスリードは大失敗だったので、後半のダメさがフォロー出来ない。胃が痛い。ちょっと吐いてくる!
(d)戦闘へたくそ
俺は戦闘描写がヘタくそだ。認める。が、ここはあまり重篤とは思わなかった。後から差し替えることもできるし、逆に根本的な描写レベルは今さら急成長できないのでアタフタしても意味がない。戦闘メインの話ではないので、ここは次作の課題ということにした。
(e)キャラ描写足らない
おけ。書き足すぜ。任せろ。
***
(5)自分は何がやりたいか。そこを判定軸に、ストーリーを再構成。
さて、解決すべき問題が洗い出された。実際、どう直すか。選択肢は{A}{B}の2つだと思った。
【A】ミスリードがきちんと成立するよう、ミステリーとして作り直す。
【B】キャラ魅せ重視にして、時系列を進める(=ブツ切れで止めたVer.1の続きを書く)
俺はどっちの道を歩むべきか。
……内なる神が、囁きかけた。
「迷えるオチャよ。汝が求めるのは、ミステリーか、キャラ萌えか。どちらじゃ」
キ ャ ラ 萌 え です。
↑即答だった。だから俺は、心理描写を今度はしっかり入れ込んで、物語を前へと進めることにした。
(6)微調整
さて、時系列を進めてVer.1の続きを書くことにした。前から頭であっさり考えていた構想を、今度はしっかり文章化。指摘を元に装甲も厚くした。今度は心理描写を入念に。キャラ魅せ重視。課題はあるが、まあ及第点としよう。
旧稿の内容に執着しすぎてはいけない。何点か、変更を加えた。
・ヒロインの性格変更。
旧稿ではほぼモブキャラ状態で意味深に一瞬でただけだったヒロイン。Ver.2では果たすべき役割の重みが違う。自ずとキャラが濃くなった。名前も変更。純真で地味なマーガレットは、修羅場馴れした美女アメリアに変貌した。名前を変えたのは、キャライメージに合わせたのと、2章目のタイトルとしてふさわしくするためだ。アメリアという名の語源は「神の御業」だそうだ。1章目のタイトル「ナサニエル」は「神の賜物」という語源なので、2章目も「神の~」としたかった。
ヒロインをアメリアにしたら、主人公の名前と似通ってしまったので、玉突き事故的に主人公の名前もアルス→ヨナへ変更。ちなみにヨナ=ジョナサン=「神は与える」が語源らしい。
・舞台を「西部劇っぽいファンタジー」から「19世紀アメリカ西部」に変更
実在の場所を舞台にした方が、前提条件の列挙が少なくて済むので読む方もストレスが減る。イメージもしやすいようだ。
知識が足らないのでリアル西部を語ってしまって大丈夫かかなり不安だったが、自分を信じてGOとした。……あとで勉強します。
などなど。細かいところをいじくった。
ミスリードでしくじった旧稿への執着はもはや無い。変えるべきところはザクザク変える。俺が書きたいのは何だ?――それだけが、判断材料だ。
***
(7)あとは書け。躊躇うな。やりきれ。ただし時間制限付きだ。
そう。書け。書くしかない。
コンテスト期間中に他作も読まずに独りシコシコ書いているのは物凄く残念な気がするが、自分の売り物も満足に整ってねぇのに他人さまの店をゆっくり巡っている暇はない。さぁ書け、進め。既に出遅れてるんだ、この際、完璧なんて目指さなくていい。
敵は他人の作品ではなく、自分自身の過去作だ。
***
……えっと。以上です。
そのような経緯でVer.2を作ったら、お陰様で3桁戴きました。
ついでに少年エース漫画原作コンテストの最終選考(=中間選考)対象作となりました。
ありがとうございます。
要するに。
読者の言葉に、耳を貸せ。魔改稿でも新作執筆でもどっちでも良いが、ともかく他人の言葉には、自分じゃ見えない何かが紛れ込んでいる。
……どうしてこんな駄文を書き散らかしたかというと。
ぶっちゃけ、少しでも人の目をこの作品に集めるためだ。
本当にどうでも良いことなのだが、俺は今、ゆえあって、ほとんど毎日吐いている。コンテスト開始数日前から今日までの間に、何リットルのゲロを吐いたか分からない。
作品の中で
ヨナ君と俺はもはや他人ではない。苦境を共に生きてきた戦友なのだ。
ファウラにも、アメリアにも、ヨナは渡さない。
だってヨナたんはもう、俺 の ヨ メ ………………
はっ。
済まない。熱くなり過ぎた。
ともかく俺は作者として、拙作を盛り立ててやる義務がある。
明らかに鬱展開でキャッチーの対局のような作品だから、せめて作者が馬鹿やってやる。
この駄文を見た中の3%くらいの貴方が「このオチャノマってやつ
……はぁ、楽しかった。
最後まで読んでくれて、ありがとう。
俺は貴方に、心の底から感謝している。
魔改稿、悪くないから機会があったらやってみてくれ。
俺の意見も聞きたかったら、呼んでくれ。全力で、貴方の作品を批評するよ。
そんなの当然だろ?
貴方はここまで読んでくれた、かけがえのない恩人なのだから……
************************
【2019.6.7追記】
拙作は少年エース漫画原作コンテスト2016にて,編集者ピックアップにより最終選考対象作となりました。なお、当コンテストでは中間選考は最終選考と同義です。(Webでは「中間」記載だけど、少年エース誌には最終って書いてあります)
【さらに追記】
当日、毎日げろげろ吐いていたのは、つわりのせいです。ご心配おかけいたしました。
(*ノω・*)テヘ
【もう1個追記】2022/9/8
6年経った今読み返すといろいろ
エタって書き捨てて迅速に次を出す戦略と、玉砕した欠片を反省会して磨き直す戦略。両立してスイッチングできたら、俺もっと強くなれるかな。。。
↑今後の課題! です。では、皆さまのご執筆が順調でありますように。
※ なお、本文中の『他ユーザー様の作品閲覧及び批評』のご依頼は、現在はお受けしていません。ご了承のほどよろしくお願いいたします。
魔女ファウラの遺言書【異能魔女×疑似西部】 越智屋ノマ@ネトコン入賞2024 @ocha
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