区切りとしてのあとがき
とりあえずの後書きのようなもの
ここまでお読みいただいて、ありがとうございます。
『帝国への海図』は、『セセの刻印』という作品(未公開)の執筆資料を集めている中で、偶然に行き当たった魅力的な2つの事象を元にして書いたものです。
その2つとは、1つめが、深海に挑むダイバーとそのダイバーが使うダイビング技術。2つ目が第二次大戦時当時の最新兵器です。
この2つの事象があまりにも魅力的であったため、そこに『セセの刻印』の登場人物を起用しスピンアウト作品として書いてみたというのが本作です。
因みに『セセの刻印』では、ミゲルとエヴァがの兄妹が主人公で、ルイスは脇役です。
本作はスピンアウトといっても、元の作品の世界観は全く引き摺っていません。宇宙への挑戦よりも難しいと言われる、深海への挑戦を際立たせるためには、他の世界観を省く必要がありました。
そこにかつての最新兵器の組み合わせです。人を殺す道具である兵器。なんとなく不気味な存在でありますが、なぜだか第二次大戦時のものには、それを開発した人間たちのドラマを感じさせます。
この試みが成功したかどうか……
それはもう少し先、この作品が完成したところではっきりすることでしょう。
『帝国への海図』は33話にて丁度半分の、折り返し地点まできました。
ここで作品を前編と後編に分けることにしたいと思います。
大きな理由があるわけではありませんが、少しは理由があります。
まずは読む側の理由です。
筆者は書店で長長編の本を選ぶとき、分厚い本を選ぶよりも、前編、後編に分かれた本を選ぶ傾向にあります。
最初から分厚いと、なんとなく読む気を削がれてしまうんですね。まずは前編だけ読んで、それが良かったらその日の内に後編を買いに行くという行動も、”読んでいるなあ” という実感があって、結構好きです。
もしかしたら、ネット小説でも同じじゃないのかなあと思いました。
次は書く側の理由です。
実はこれまで筆者は、20万字超の長長編を書いたことがなかったので、本作は新しいトライです。
10万字を少し越えた辺りにはなんとなく体感があって、全体のバランスが取れるのですが、どうもそれを大きく超えると集中力が途切れがちです。
一旦区切りをつけた方が、後半の集中力を維持できそうだと思いました。
因みに『帝国への海図』は、一通り最後まで書き終えたものを、随時改稿を加えながら、1話ずつ公開すると言うスタイルでやっています。
さて、分けたことが吉と出るか凶と出るか、どちらでしょうね?
自分でも楽しみです。
まあ、形だけの話をするのなら、一度試してみて後でくっつけることができるというのもネット小説の良さですね。
それでは、引き続き後編もお楽しみいただけましたら幸いです。
高栖匡躬
後編はこちらです。
『帝国への海図 Ⅱ ~飽和潜水~』
帝国への海図 Ⅰ ~レックダイビング~ 高栖匡躬 @peachy
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