それは、運命か、それとも使命か
- ★★★ Excellent!!!
貧民として産まれたのも。
奪わなければ生きられなかったのも。
殺す術を覚えたのも。
――ひとつのパンに、救われたのも――
それは、ある意味、逃れられぬ運命であり、避けようのない人生。
そして、奇妙な依頼と再会、転機。
ただ、抗うことも出来ず、流れるような人生の中で、運ばれていく命から、その命の価値を知り、己が使い方を示す。
それこそが、使命と呼ぶに相応しい生き方ではないか。
交差する光と影の、背中合わせの人生を歩む両者の間に、しっかりと結ばれた絆の物語。
まさか、その二つを結ぶのが、ただひとつのパン、だとは。
片腕を失った?
……いいや、もっと大事な何かを、得たのだ。