問題提起をしたはいいが……

 問題を提起して幾つかのラノベ作品を例にとって文章の方向性を粗挽きにして書いたのはいいが、小説との比較、漫画との比較、アニメとの比較などをしていない。ラノベの存在価値について論じるつもりがあるのか疑問に思う。それって批評なのか?
 だが、問題提起には応えよう。
 私としてはラノベという表現媒体が存在する必要性は、読者側よりも作者側にあると思っている。いちばんうしろの大魔王という作品がある。一巻目が出たときこれがその先続いていくかは未定だった。なのにもかかわらずこの作品のテーマの部分は一貫しており、その部分が明確になり始めるのは四巻あたりからだ。もしも普通の小説だったらこうはならない。一冊または上下巻二冊などで伝えたいことを伝えきる。ラノベはそうではない。一貫したテーマを持っていたとしてもそれを青春で希釈し絵を加えそれを一旦隠してビジュアルで売る。作者は延命する。そういうことなのではないかと思う。また、希釈できる分、内容が青く見える分、過激だったり普通ではやれないことを議題にあげつつ大目に見てもらえている面もあるのではないか?
 私はラノベは面白いと思う。ある意味もあるはずだ。作者がラノベ意外で表現することができない限りは。

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