機神が吼える、魔神が胎動する、このセカイの結末や如何に?

 ノンストッパブルストレスフリーロボットノベル。

 言い得て妙なのか、ただ単に私の頭が悪いのか、最新話まで読ませて頂いて、思い浮かんだ言葉がコレだ。

 日常の世界を否定することで顕れる真実の非日常、過酷な戦場に放り込まれる主人公の姿は、まさにロボットバトルの王道と言えよう。
 退廃とした世界に、灯る希望と、漂う思惑。

 実に分かり易く、好きだから書きたくて楽しいから伝えたくて。作者のそれが、作品の端々に読み取れるのは好ましい。
 TOPページのランキングに躍り出たのも伊達ではなく、当初より気に留めていたものである。

 ただ、webという媒体に特化し過ぎているが故の読みやすさは、ともすれば小説として起伏のない一本調子の話になってはいないか。息をつかせぬ展開は、物語の呼吸を欠いてはいないか。
 それが、狙いであるのか拙さであるのかを判断するだけの才を私は持ち得ていないわけだが、そこを忌避する読者を、僭越ながら危惧するものである。
 この作品の長短は、紙一重でもある。機神と魔神がそうであるように。
 その魅力が、伝わることをどうか願おう。

 神――グランデルフィン――よ。
 世界を想え、終末を描け、その果てに、人類が、緋崎蓮介が、何を見るのか。それは失われたのか、新たな楽園を見出すのか。

 完結まで、ひとまず見守らせてもらいたい作品である。

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