第5話 カーネル
私は大統領である。さまざま問題を解決し、支持率も一定を保っている。しかし、こんなことを本当に話す日が来るとは思ってなかった。緊急会議で「AIが我々を支配する」という題目を。そんな突然SFじみた話をされたのは、初めてだ。しかし、これは人類にとっての久方ぶりの"天敵"というやつが出てきたということである。そんなことを私が思っていると、各国の首脳が集まってきた。皆、自国に影武者を置いてきている。パニックならないようにだ。相手が電子上にいるため、我々は手間のかかるアナログな方法をとるしかなかったのである。
「さて、お集まりいただき感謝します では早速ですが本題に移りたいと思います」
今話したのはこの問題の責任者の1人ベーブルス。私より少し高いスーツを着ているのが気に入らない。彼はあらかじめこの問題について話しており、各国の代表を呼ばせたのも彼らである。
「みなさまも、あなた方たちの国でこの問題について聞いているでしょう」
もちろん、ベーブルス率いる国の機関は似たようなものがどこにでもあるだろう。
「我々は未だかつてない敵と対面しております、AIです。みなさまも"AIが人を支配する"という噂は知っているでしょう。これを見てください」
ベーブルスはパソコンを取り出し、プロジェクターに写す。なんのために影武者までを用意した、アナログの方法をとったのだか。呆れるよ。そこには丸い形のものがあった。背景は黒で丸だけが白かった。
「私はもう見た」
その声に続き私もという声が鳴る。見ていなかったのは私だけだったようだ。
「これが我々をの敵です、どうやらご存知のようですが、、では続いては対応策の方を」
「待て、パソコンから印刷はできなかったのか、これは」
「カーネル大統領、それはできませんでした、原因はわかっておりません」
「漏れてはしまわないか」
「大丈夫です。これ以上はこれを使いません、以降の話はすべて筆談とこの録音機を使います。ご了承ください」
ベーブルスは少し乱れたスーツを直し、我々に目線を合わせる。果たしてどんな解決策が出るのやら。
静寂の再来 H.H.giger @5120
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。静寂の再来の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます