何気ない日常の中に溶け込んだ優しさ。

 短編集とのことで、これからも作品が増えていくのかな? と思ったため、現時点で私が拝読した作品を明記いたします。
・桜が連れてくる春
・こどもの日
・朝顔
・蛍の光
 いずれもそれぞれの主人公たちの視点で日常生活を切り取ったものです。題材自体はすごく特別なものではないのですが、本当はこういう日常のひとコマこそ特別で大切なんだということを気づかされます。どの作品も一人称で心に浮かんだことを丁寧に語っているため入り込みやすいです。同時に、最後まで読むとほっこりします。みんないいひとだ……!

 今回拝読した中では『桜が連れてくる春』が一番のお気に入りです。
 お母さんと幼い娘のやり取りがとても微笑ましく、最後はお母さんのおもいの深さにほろりと来ます。

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