実際の体験だという、実話系ホラー

声などについて、一体なんだったんだろうかと考えましたが、怖いのでやめました

明るくほんわりする話もあれば、ぞっとする話もある……たとえるなら、いろいろな味のキャンディがたくさん詰まった、キャンディポットです。

「トレイター・リーマ」
人、獣、どちらについても敵対する側から見れば裏切り者。
でも、味方についた側からも全面的には受け入れられられることはない。
主人公リーナの口調から伝わる明るい雰囲気、でも、そんな彼女の背景に流れているその事実がさらりと重い。
はざまの子ゆえの苦悩を乗り越えての今、どうかリーナを全面的に受け入れてくれる誰かが家族以外に現れてくれることを願ってやみません。

　一話一話が独立して読める手軽な掌編集。誰にでも思い入れ出来てふとしたはずみに思い出すようなお話ばかりなので、是非とも一読を勧めたい。

ご自身でも仰られてる通り、どれもこれも短編ばかり！ジャンルも雑多で飽きることはありません！
短編集をたくさん読みたいという方には強くオススメ致します！

　短編集とのことで、これからも作品が増えていくのかな？　と思ったため、現時点で私が拝読した作品を明記いたします。
・桜が連れてくる春
・こどもの日
・朝顔
・蛍の光
　いずれもそれぞれの主人公たちの視点で日常生活を切り取ったものです。題材自体はすごく特別なものではないのですが、本当はこういう日常のひとコマこそ特別で大切なんだということを気づかされます。どの作品も一人称で心に浮かんだことを丁寧に語っているため入り込みやすいです。同時に、最後まで読むとほっこりします。みんないいひとだ……！

　今回拝読した中では『桜が連れてくる春』が一番のお気に入りです。
　お母さんと幼い娘のやり取りがとても微笑ましく、最後はお母さんのおもいの深さにほろりと来ます。

パステルカラーなイラストのような小話ですね。
二十前の若輩ながら、子供がいるとはどんな気分なのだろうと、夢見がちな妄想をしてしまいました。その前に相手を見つけろっての。