鱗のある君もその隣にいる君も、一生懸命がとてもいとおしい

亜希子が生まれたころ、鱗のある人間レピシスは、
千人に一人程度の珍しい存在だった。
差別、と呼ぶには些細かもしれないけれど、
他人からの特別視が亜希子には付いて回る。

医学的見地や知能指数がどうだとか、
将来的なマジョリティがどうだとか、
そういう言い方は嫌いで、
何かが少しずれていて、

悩んだり口ごもったり我慢したりすれ違ったりするのは、
心の中に引っ掛かった小さな棘や、
ちっぽけだとしても大切なプライドのためで、
鱗があってもなくても誰だって足掻いているんだ。

知らず知らずのうちに自分自身に貼ってしまった
レッテルを一度、フラットにして。

負けるな。

正直に、強く、自分とも相手とも向き合っていけそうな、
希望の感じられるラストが印象的な青春ドラマ、人間模様。

すごく好き。