繊細に綴られた日常、そしてそれは一瞬の。

ミステリーとジャンルが変わっていたので、あらためて評価をしに参りました。
ラブコメと思って読んだら地獄を見たぜ…。

いや、今から読む人にもどうかラブコメとして読みはじめてほしい。
最初の方を読んでみてどうでしょう。きゅんとくる、きますよね?高校生の、初々しい感じ、そしてちょっとしたすれ違い。それはとても些細な差で、すこしだけ三人がそれぞれ違う方向を向いていただけのーーー

視点は三人それぞれに切り替わって進みます。それぞれの見えているもの、いないもの、よくある日常、青春の一コマ。それらがとても繊細に綴られていく様子は、自分が青春を追体験しているような気分にもなります。

そして物語は急転ーーーー
ふわふわ浮ついた気持ちが一瞬で吹っ飛ぶスピード。ワイルドすぎる。
別な意味で足が地につかなくなる、そんな気分をどうか他の方にも味わってほしい。




近況ノートの方で作者様ご自身がイヤミスと表現されていましたが、まさにそれ。最後のθの章はほんとーに読むのが辛かった。今も思い出すとお腹が重くなるのは多分まだこの世界をひきずっているから。

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