6年生 創作活動
国語の授業で、創作小説を書くという授業があった。
大半の生徒は、プロ野球選手になったらとか、ロボットのパイロットになったら、
という内容が多く、女子はアイドルとの恋愛や理想のお店屋さんなど、夢を文章化していた。
創作というのだろうか?
私はというと、日本の小学生が、寝ているうちに飛行船に捕らわれ、
同じように捕らわれた、アメリカ人の少女とアフリカ人の少年と3人で
無人島で2週間サバイバル生活をするといった内容を書いた。
言葉が通じないので、会話は少なく、また途中で、恐竜を登場させたり
ハードルを上げ過ぎたグダグダの小説だ。
恐竜などは、扱いに困り、海水に浸かると溶けるという後付の設定を思いつき、
だから、海にはいないということにした。
翼竜は登場させなかった。
当時の私なりに、図鑑や辞書を片手に頑張って書いたのであろう。
枚数だけは、なかなかの大作に仕上がった。
私は勉強もスポーツも1番にはなれない子供である。
絵も得意とはいえず、字も汚い。
楽器は扱えず、協調性もない。
俗に言えば劣等生である。
何か一番になってみたかったのかもしれない。
小説は回収された。
私は国語の授業の度に、先生の感想なり評価なりを期待していたのだが、
ついに、その時は来なかった。
先生にとっては、消化すべきカリキュラムの一つに過ぎず、書かせたという事実が重要なのである。
内容など、どうでもいいのだ。
1クラス40人とすると、一般企業で考えれば、部長以上のポジションに相当する。
はたして、あの当時の先生が、そのレベルに達してたのか?
私は今も疑問である。
6話完結で、このシリーズを書いてみたが、総じて小学校の担任は好きな人間では無かった。
クラスの生徒を苛め続け、登校拒否を自ら生み出した中年女教師。
授業中にタバコを吸う、老教師。
問題児は授業中でも家に帰してしまう若い男性教師。
殴れば言うことを効くと勘違いしている中年男教師。
私を担当した先生たちは、今であればニュースで流れそうな面々ばかりである。
反して、中学時代の先生は、担任に限らず良い先生に恵まれたと思う。
個性的ではあったが、教育に緩急つけて、真剣に怒り、一緒に笑えた 素晴らしい
3年間を過ごさせていただいた。
もし、可能であるならば、あのときの私が書いた小説を、今の私自身が読んで、感想を言ってあげたいと思う。
私が、こんなことを趣味としているのは、心のどこかに、あの時の私がいるからなのかもしれない。
シックスエピソード 桜雪 @sakurayuki
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