アンニュイな時代を思い出す。
- ★★★ Excellent!!!
おもしろかったです。
しっとりした文章で、少年とも青年とも言えぬ微妙な時期の心情が表現されていて、引っ張り込まれました。気づいてたら、終章まで来ていました。
前に踏み出さなければならないとわかっているし、絶対に踏み出すのですが、そこへ至るまでの一瞬、足をあげるまでのわずかな時間は、どこか微妙で背徳感があって、できることなら、その場に留まっていたと思う何かがあります。それが描かれていたのは、素直にすごいと思いました。
自分にもそんな時代があったのを思い出しました。
楽しませていただきました。