天使の心に狂い咲く、

作者 あおいしょう

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★★★ Excellent!!!

 今からこの作品に出会う方は、主人公の天使を嫌いになるかもしれない。しかし、最後まで是非読んでいただきたい。絶対、見方が変わるから。
 天使は仮面のような笑顔で他者と接してきた。心の内では、笑うどころかすべてを見下していた。優しい言葉とは裏腹に、ひどく口汚く罵っていた。そんな天使が、一つの魂(一人の人間)と出会う。いつもついて回るその魂を、天使は邪魔だとしか見ていなかった。しかし、その魂に引き寄せられ、天使はその人間の魂を喰らってしまう。
 そして、その魂の味をしめた天使は、それ以上の魂を求めて人間界に降り立つ。そこで天使は、初めて自分の本能と理性とが戦い、混在し、混乱する。そんな中、天使を連れ戻そうとする面々と戦うことになる。
 今まで神に最も近く、他者を見下すことしかできなかった天使。他者に興味を持てず、ただつまらない日々を過ごし、役割を消化していくだけの時間。強い霊力は、彼を傲慢にし、他者を冷めた目でしか見えなくしていた。つまり天使は、もっとも強いがゆえに、もっとも弱いのではないだろうか。そんな彼に訪れた変化。そして彼が見た光景。
彼が知りたかったのは。
天使の心に咲いたのは。

短いのに深い。

是非是非、御一読ください!

★★ Very Good!!

若くして死んでしまった少女、るり子が出会ったのは、美しい天使のランム。
綺麗だけれどもどこか空虚な心を持つ、ランムの行く末は――?


タイトルがセンス良くてとても素敵です。
文章も巧みで、するすると読めてしまいます。

独特の世界観に、どこか考えさせられるストーリー。
興味を持たれた方は、味わってください。

★★★ Excellent!!!

たまには本能のままに、すべてを食らいつくしてしまいたい。
そんな風に感じさせてくれるお話でした。

裏に込められた、著者様の強烈な想いが伝わってきます。
むくわれない想い、自分探し、このあたりの単語に気を引かれた方はぜひ読んでみてください。

また、文章に色気があるのがすごかったです。こういう描写、僕にはとてもできないので羨ましいです。

Good!

 幼き愛は、それを愛と認識せず。
 喰らうという行為は、ただ、己が血肉とする為の欲望でもある。

 愛しているとは、何だろう。

 人としての概念を持ち得ない天使の視点からのアプローチでしょうか。
 理解を伴わずして羨望する、その存在が切なく、哀愁を誘います。

 堕ちて、堕ちて、その先に、救いがあったのか、それを問いたい。

★★★ Excellent!!!

しっかりした情景描写とストーリー構成。巷に出回っている、余韻など皆無の薄っぺらな小説に飽きた方にはお勧めの作品です。

文章の重さと堅さは、ネット小説では敬遠されがちですが、それは手間の掛ったコーヒーの苦みや本格派のジンジャエールの辛みのようなもの。無性に欲しくなるときがあります。

実はボクが最近書いた作品も人の死を扱っていて、死の番人なる者(死神)が登場することから、興味深く読ませてもらいました。比較して読むと勉強になります。見えないものも見えてきますし。

★★ Very Good!!

堕天した天使による現代ファンタジーもの。

天使が少女の魂を食らうことから始まる物語だが、天使が地上に降り、人間と関わることで人間というものを知っていき、そして食らった魂の意味と向き合う展開は読んでいて心を揺さぶられるものでした。

また巧みな文章と丁寧な心理描写がストーリーの魅力を助長しており、素晴らしい気持ちで読み終えることができました。ラストシーン、よかったです。

天使と聞くと、私の場合中二心が刺激されるのですが、これはまた違った天使の見せ方をしており、ちょっと新鮮でした。気になる方は是非読んでみてください。

★★ Very Good!!

ランムの葛藤や悩み、思いを綴るストーリー。劇中で起きる、様々な出来事に隠れてしまいがちですが、土台はしっかりと練られており、ギミックに惑わされません。
すまじきものは宮仕えと言う言葉通り、考えさせられるものが有ります。
これからも執筆頑張ってください!
3/29 読了 おいげん

★★ Very Good!!

 配慮していますがネタバレも含まれていますので、お気をつけください。

 これは最後の一言を読んで、感じるための作品です。

 一話は世界描写も美しく、この目で見てみたいと素直に思えるほどです。けれど主人公には腹が立つし描写が多くて進んでいる感じもしなくて多少退屈さを覚えました。

 それでも読み進めていくと、主人公が人間という生き物を知っていく過程は割と楽しかったです。それに読者としての私も人間に振り回される高尚な生き物の姿を見て悦に浸ったり、自分の気持ちが分からない状況に同情を覚えたりしました。

 そしてもう一度書きますが、この作品を最初から最後までしっかりと読んだ人なら、最後の言葉は絶対、陳腐だとは思いません。ああ、その一言が欲しくて読んでいたのかもな、と思わせるくらい心にグッとくる言葉でした。

 でもこれの読み味は間違いなく現代アクションではないですよねー。ジャンルがネタバレに相当してしまうので仕方がないのかもしれませんが。