天使は、少女の夢を見るか――?

 今からこの作品に出会う方は、主人公の天使を嫌いになるかもしれない。しかし、最後まで是非読んでいただきたい。絶対、見方が変わるから。
 天使は仮面のような笑顔で他者と接してきた。心の内では、笑うどころかすべてを見下していた。優しい言葉とは裏腹に、ひどく口汚く罵っていた。そんな天使が、一つの魂(一人の人間)と出会う。いつもついて回るその魂を、天使は邪魔だとしか見ていなかった。しかし、その魂に引き寄せられ、天使はその人間の魂を喰らってしまう。
 そして、その魂の味をしめた天使は、それ以上の魂を求めて人間界に降り立つ。そこで天使は、初めて自分の本能と理性とが戦い、混在し、混乱する。そんな中、天使を連れ戻そうとする面々と戦うことになる。
 今まで神に最も近く、他者を見下すことしかできなかった天使。他者に興味を持てず、ただつまらない日々を過ごし、役割を消化していくだけの時間。強い霊力は、彼を傲慢にし、他者を冷めた目でしか見えなくしていた。つまり天使は、もっとも強いがゆえに、もっとも弱いのではないだろうか。そんな彼に訪れた変化。そして彼が見た光景。
彼が知りたかったのは。
天使の心に咲いたのは。

短いのに深い。

是非是非、御一読ください!

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