怖い、音楽

無駄のない筆致で、淡々と紡がれる恐怖。それは、音楽を愛すれば愛するだけ、その深さにもまして襲いくる。
語られない世界の恐ろしさ。
語られた世界の無惨さ。
静かなる迫力。
無音の響きは、心を貫く。
目を逸らそうとしても、そうできず、瞼を閉じようとしても、瞠目してしまう。
ひとの手による音楽の壮絶さは、はかりしれないほど美しい。
それは終わりなく、果てもなく……。