外法領域　‐薄暮冥冥‐

ある時代。
地上には〈魔都〉と称される猥雑極まりない街があり、その地下には未知なる大迷宮が存在した。

『遥か昔に墜落死した竜の亡骸が朽ちて骨組みとなり、広大な迷宮を造り上げた』

そういう胡散臭い伝承もあいまって、科学と魔術が混沌とまぐわう魔都には富や名声を求める探索者どもが集い、闇の界隈では魔力に惹かれて流入するアヤカシの類が跋扈していた。
そんな街の路地裏街で、呪医としてひっそりアコギに稼いで回る外法道士のトワイライト。
彼のもとには日々、奇妙で物騒でいかがわしい依頼ばかりが舞い込む。
これは〈黄昏色の道士〉トワイライトが竜の少女と出会う前の、薄明の日々を綴った物語である。