自分が発見した「箱」には、美少女が詰まっていてほしいと切に願う
- ★★ Very Good!!
正直なところ、ハイファンタジーは苦手だ。それはゼロから創り上げられた世界観でありながら、読者を惹き込むリアリティも必要という難しい要求から逃れられないから。そして、それを実現できる書き手が少ないからだ。
この物語は、人類が見たことのないモンスターが詰まった「箱」が、謎の基軸におかれている。その箱を開けたときの被害は、「人ひとりを殺す」ものから「街一つがなくなってしまう」までさまざま。
私がこの世界で権力をふるえる立場にいたならば、むしろ「臭いものに蓋政策」を実施し、決して触らないだろう。それでこの物語は完結する。
そう思われたが、人間はそう単純ではない。のっけから某バンドのボーカルのようなゲスな国王が、人間の欲のありさまをみせてくれるが、謎というのは人間の知的欲求を刺激する至上のものである。
人ひとり死ぬ~街一つがなくなるという幅の中に、サキュバスのような美人モンスターがいるかもしれない。その可能性を信じて、私は物語と同じく一つ一つの「箱」を開けて回るだろう。
願わくば、そういう箱にだけあたりたいものだ。
さて、あなたが開く「箱」には何が入っているだろう?
その答えは、この物語の中にある。