いつだって冒険は、ゼロから始まる


"児童文学とSFを掛け合わせた小説"と聞いてました。実際に読んでみて一言言わせていただくなら、"丹念に熟成された深い味わいのある物語"です。

主人公のルークの、何者でも無くなったところから冒険が始まり、戦いや仲間、敵との邂逅の中で"自らの存在"や"何と戦っていくべきか"について考えていく、成長していくという積み重ねの面白さが感じられました。

葛藤、成長の過程、旅の中で触れていく史跡や歴史、神話といった文化的なものを所々に取り入れているためか、読んでいくうちに"自分もこの世界を冒険している"そんな気分になります。

その"読むという冒険"の中で、歴史は人の思いがぶつかり合って紡がれていく事を、読者(言い換えれば、鉄の翼の世界に冒険にやってきた人)に教えてくれます。

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