詩仙剣侠只今見参! 義の刃が悪を断つ!

 あの李白が武侠って時点で「こいつはやべえ! 傑作の予感だ!」となったのですが、実際読んでみるとその予感は確信へと変わりました。
 武侠小説特有の空気感を持つ文体、魅力的に躍動するキャラクター、熱い戦闘、いずれをとっても最高です。
 特に面白かったのが李白がどちらかというと狂言回しの立場であり、一つ一つの話だけで言えば彼以外の人々に焦点を当てることで物語に幅を持たせていることです。
 この深さと広さを持つ世界、それを支えている作者の勉強量を思うとただただ頭が下がります。自分も一作者としてこれに倣い、修行を続けていきたいと思うようになる作品でした。
 あとひとこと紹介では格好いい事書いてますけど、実際の所やっぱり史実通りのちゃらんぽらんです。でもなんだかんだ義の側なんだけどまあそこら辺のふわふわ具合も武侠ものの主人公の魅力だよね!

 要するに武侠ものもっと流行れ!

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