こんな青春時代を送りたかったなぁ。

純真な高校生男女の、少しだけ山あり谷ありの恋愛物語です。それに相応しい文章で、ふわりふわりと揺れ動く登場人物の心情を描いています。
純真な高校生が登場人物ですから、特に恋愛となれば口籠ってしまう事も多いわけで、だからこそ、節によって主格となる登場人物を変える事で多面的に物語を進めていってます。この手法は効果的で、そうしなければボンヤリした作品になっていたでしょう。ただ個人的には、登場人物が多いので、耄碌した脳味噌が悲鳴を上げ、軽い乗物酔いを起こしてしまいました。やっぱり、恋愛は若者の特権だなぁと、変な感心をしました。
私自身は男子校育ちなので、この作品のような世界は完全に夢物語でした。理論上は、学外に彼女を求める選択肢も有り得るのですが、そこまでの狩猟民族的な甲斐性も無く、空想に浸っていただけです。
この作品を読んで、もし生まれ変わるなら、次は男女共学を目指そうと思いました。

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