概要
壊れた世界には、再び国家や市町村や集落地域が生まれ、鉄道が敷かれ、人々は働き、子供は学校へ通い、今日の夕食について考えている。
世界共同機構(WCO)の若き地域観測官イザベル・ディケンズの仕事は、世界各地を訪れ、「そこに誰がいて、どんな暮らしをしているのか」を観測、記録すること。
そんな一度壊れ、なにかを忘れた世界を旅し、観測する旅物語。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!その世界の「当たり前」、本当に当たり前ですか?
文明崩壊後の世界を旅する地域観測官イザベル。
訪れる土地には、幸福度を数値化する社会や、ちょっと不思議な仕組みで成り立つ町など、変わった場所が次々と登場します。
最初は「なんだそれ?」と思うような設定でも、調査が進むと、ちゃんとそうなっている理由が見えてくるのが面白いところ。
しかも、ただ奇妙な世界を描いているだけではなく、現実の社会にも通じるような皮肉が混ざっているんですよね。
イザベルが淡々と観察して記録していくのもいい感じです。次はどんな場所に行くんだろう? そして、そこではどんな「当たり前」に出会うんだろう?
そんなことを考えながら、続きを読みたくなる作品でした。 - ★★★ Excellent!!!世界は一度滅びた。それでも、人間の暮らしは続いている。
ポストアポカリプスものなのに、こんなに人間臭くて、こんなに世界を旅するのが楽しい作品があるとは!
世界は一度、壊れてしまった。
けれど、人類は滅びなかった。
生き残った人々は国を作り、町を作り、それぞれの文化や制度を築き、今日も当たり前のように暮らしている。
そんな世界を旅するのが、世界共同機構(WCO)の地域観測官、イザベル・ディケンズ。
彼女は世界を救う英雄でもなければ、事件を次々解決する名探偵でもない。ただ各地を訪れ、人々の話を聞き、見たものを観測してとてもフラットな目で記録していく。ただ、結構な食いしん坊。
しかし、これが実に面白い!
ある土地では奇妙な制度が当たり前になっ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「ポストアポカリプス」と聞いて想像するものは何だろう。
瓦礫の都市。
荒野。
食料を奪い合う生存者。
失われた文明の謎。
世界を救うために戦う主人公。
この作品には、そのどれも出てくるかもしれない。
でも、たぶん一番大事なのはそこじゃない。
世界は一度壊れた。
けれど人類は滅びなかった。
だから町を作った。
学校を作った。
市場を開いた。
鉄道を走らせた。
選挙を始めた。
そして役所では今日も書類を処理している。
この「世界が終わりかけたのに、人間はまた普通に暮らし始めてしまった」という発想が、とにかく好きだ。
主人公のイザベル・ディケンズも面白い。
世界共同機構の「地域観測官」として各地を旅する22歳の女性なのだが、世界を救う勇者でも、…続きを読む