このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(170文字)
律とSN-01の関係が深まる一方で、アンドロイドの意思や感情について考えさせられる展開が印象的でした。特に、緑山の暴走と岡部によるブラックボックス改ざんが、隠蔽ではなくウーパを救うための「告発」だったと判明する流れが秀逸です。「俺、やっと、正しいことができます」という言葉には胸を打たれました。また、SN-01の出自や律に仕える理由にも新たな謎が加わり、二人の関係が今後どう変化するのか気になります。重いテーマの中でも、幼体ウーパを触りたがる律や、最後に二人でウーパ肉を食べるオチが楽しく、この作品らしい絶妙な温度差を楽しめました!
壊れたアンドロイドの記録を読み解く検死官・灰崎律。そんな彼女のもとに現れたのは、自ら律を主人に選んだ高性能アンドロイド・白波澪だった。彼に心があるのかは証明できない。分からないまま、それでも律は彼をそばに置いている――この関係性がとても印象的です。検死業務を通して描かれる、人間と機械のさまざまな関係。そして、澪との何気ない日常の中で揺らいでいく律の心。心の有無を簡単に答えにせず、二人の関係そのものを通して問いかける、余韻の残るSF作品です。
アンドロイドの故障や全損を扱う「検死官」の律は、怒る時以外はかなり合理的で、むしろ策略家にも見える人物。一方で、高性能アンドロイドのSN-01の方が、律から言葉をかけられることを喜んだり、少しずつ距離を縮めようとしたりする。この人間とアンドロイドの立場が少し逆転しているような、不思議な距離感が面白いです。
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