今朝から次の作品を思い描くために、久しぶりの好きな音楽を聴きながら、終末医療(ホスピス)の医師や看護婦による「惜別の物語」を読んでいました。
人は誰でも、いつかは「こころの故郷」で永遠の眠りにつき、草葉の陰からホタルを眺める儚きものです。数年前に両親を立て続けに看取りました。いま、さだまさしさんの「 防人の詩」万葉集の一節から学んだ儚き美しい歌詞が心にじんわりと染み入ってきます。
「鯨魚取り 海や死にする 山や死にする 死ぬれこそ 海は潮干て 山は枯れすれ」 (巻16-3852 作者未詳)直訳すれば、あぁ、海が死ぬということなどあるの? 山も死ぬの? そんなはずがないのに。でもやっぱり死ぬからこそ、海は潮が干し上がるのだし、山も草木が枯れるのだなぁ……。「鯨魚取り」は海、浜、灘などに掛かる枕詞です。
彼の歌から、命の尊さ、人間の悲哀、苦しみ、生死について。人として何が大切かを学び、自分にとって、今一度見直すときがやってきているのかもしれません。
「こころの故郷」を選ぶのが許されるとしたら、学生時代に登ったナナカマドの美しい北アルプスの山麓にさせて欲しいです。花言葉は「prudence(慎重、賢明)」「I watch over you(私はあなたを見守る)」