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刹那と流転、小室直樹氏ー唯識論から。


https://kakuyomu.jp/works/16817330658385162149/episodes/16817330661435469573

Cheating on love

今回この小説の新エピソードを敢えて
公開したのには、最近読んだ本の影響があります。

小室直樹著、

「三島由紀夫が復活する」

この本の中で、小室直樹氏は、三島由紀夫が
「豊穣の海」で取り上げていた唯識論を、
インド哲学と西洋哲学の論争である
「ミリンダ王の問い」で解説しています。


プラトン以来の形式論理学で「自己」
と「他者」を峻別するミリンダ王と、
唯識論で全ては「空」と反論する
インドのナーガセーナ長老。

ミリンダ王は、

「ナーガセーナ王の、爪が、歯が、
皮膚が、ナーガセーナ王なのですが、何が
ナーガセーナ王と言えるのですか、
あなたはそこにいるではないか?」

と主張します。それに対して、ナーガセーナ長老は

「全てを把握しようしても全てが儚い、
一瞬の「識」でしかない。全てが
生成流転する刹那でしかない。」

ことを説くのです。

今回のエピソードではそれをメインに取り上げて
います。存在の儚さ故の執着。
お楽しみに。













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