どうもこんばんは山本です。段々ここ書くのが趣味みたいになってきました。もともと日記みたいなのを書くのは好きなので、その延長なのだと思います。
さて、今日は今日の更新で完結となった短編「色彩と律動(
https://kakuyomu.jp/works/16816452219446322456)」の話をしようかと思います。だんだん出だしがサザエさんじみてきたけど。
これを書いていたのはちょうど一年くらい前ですね。
3月中に始め、一週間くらいで書き上げたはずなので、まあ3月中旬までには終わったのかな。初稿には全部日付があるはずなのですが、今開いているのが推敲用なので微妙に不明なのですが。
でも間違いなく、3月です。
――新型コロナウイルスの影響が本当に目の前に迫ってきて、3月から始まるはずだった大好きなアーティストのライヴが延期、そして日を追って中止の報が入った頃。エンタメが感染症に負けたのだと打ちのめされて、帰宅する電車の中で一時間涙が止まらなかったあの3月。
あの頃、発売されて間もないアルバムを聞きながら書いていました。書いていた頃はまだ「延期」だったので書けたんだと思います。
それから一年、耳鼻科の病気にかかってしまったので体調的にもまったく書けない時期が続き、そしてちょうど先日、またみそらと三谷の番外編――というか、本編に入りきれなかったエピソードを書こうと、やっと手が動いたので(体力が戻って思考回路が回るようになったということですね)、それとあわせてカクヨムさんに登録したのでした。
なので最初は「恋するハンマーフリューゲル」を公開する予定はあんまりなかったんですよね、ここは番外編置き場みたいにできたらと思っていました。
というわけで、今はその新作っぽいのをぐーぐるどきゅめんとさんにごりごり打っているところでもあります。
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前置きが長くなってしまいましたが、音楽の話をしましょう。今回はまずベートーヴェンから。
「色彩と律動」でみそらと三谷が行ったコンサートのピアニストのモデルは、アリス=紗良・オットーさんです。報道ステーションなんかにも出演されたことがある方なので、ご存知の方も多いかもしれません。
わたしも実際にコンサートにも何回か行っていて、最初にお会いしたサイン会でアンコールの曲について触れたら、
「ありがとう! あの楽器、もうおばあちゃんだからあの曲にしたのだけれど」
とあの美しい笑顔で返事をしてくれました。わかりますかこの答えの素晴らしさ!
それこそ数年前で、その答えが印象的すぎて自分が何を言ったかすっかり忘れているんですが(笑)、あまりの演奏との齟齬のなさに感銘を受けたものです。
その後、彼女は2019年に、多発性硬化症にかかっているということを告白しました。
若手のホープの一人である、その自覚もあるはずです。病気が恐怖でしかないことも、一般人のわたしだってわかる。
でもそれでも演奏活動をやめない彼女を、今でもこっそり応援しています。あの方にとって、生きることは弾くことなんですよね。いまだに録画した数年前の「セブンルール」を見ては、センスの良さ、そして自分が何者であるかを問う姿に、彼女にとっての弾くこと――生きることの重さを感じます。
彼女のアルバムもサブスクにほとんど解禁されていますし、グラモフォンの公式YOUTUBEに音源があるので、載せておきますね。
■ドビュッシー ベルガマスク組曲「月の光」
https://youtu.be/iIwMIzCqd84印象派をここまで論理的に弾ける人は少ないと、やっぱりアリスちゃん好きだなあと思った一枚でした。
ちなみに彼女のアルバムにベートーヴェンはありますが、バガテルは入っていません。ここはわたしの創作です。そしてみっちゃんの「これまじ弾いたっけ?」はわたしの体験でもあります(笑)。
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この話を書いているときに、誰に何を思われようと、受け入れられなくても、モラルに従って、自分の書きたいものを書こう、それと向き合おうと思ったのでした。
それから一年経って、中止になったツアーが再開しています。
まだわたしの地域の日程には時間があって、動向がどうなるかも不透明ではありますが、そんな中にもう一度書きたいと思えたことが、エンタメの拍動のような気がして、「色彩と律動」はそういう、生活の中にある音楽を見失いたくないというわたしなりの決意を込めた一作です。だからこそ最初に掲載した、というのもあります。