緋糸 椎

中原は思ったことはハッキリと言う性格で、妻にも辛く当たることが多い。一方妻は温厚な性格で包容力があり、そんな夫の横暴さえも受け止めてしまう。 果たして本当に彼女はただ温和な女性な…

文字通り危機一髪、締切ギリギリで書けました。

アラフィフにして独身、年齢＝彼女いない歴の僕が、結婚相談所で紹介されたのは娘のような年代の美女。こんなうまい話、ある筈はない。僕と友人は彼女が僕を選ぶ理由について推理し、仮説を立…

サンタクロースはきっとくる。そう信じている小学二年生の吉村圭人。しかし、その両親は多額の借金を抱えており、その年のクリスマスはプレゼントを買う余裕がなかった。 期待する圭人と、な…

当初６歳の息子がスケボーを始め、一緒にやっているうちに自分自身も夢中になった、でも息子の上達には引き離されたばかり……そんな父親の五七五エッセイです。 季語の有無は問わないとのこ…

俺の父親は宗教の教祖様。 幼い頃の俺にとっては、何も特別ではない、ごく当たり前の環境だった。 ところが父親の宗教は様々な社会悪を引き起こすカルト集団だった。 教団が解散され、縁を…

合理的な自由主義神学を学んだ北川、福音主義を信条とし信仰の道を歩む御供。それぞれが教誨師となり、死刑囚と対峙しながら自らをも省み、生とは、死とは、神とは……考え、悩み、分かったと…

私、緋糸椎はKAC期間中、コロナ感染で隔離生活を送ることになりました。このたびお題が日記ということで、その実情を、これまでの作品のあとがきも兼ねて、書き記しておきたいと思います。

両親の喧嘩に嫌気がさし、中学三年生の真島光一は夜中に家を飛び出した。遠くへ行こうと、東京駅のバスターミナルに来たが、目を留めたのは東京駅発東京駅行という奇妙なバス。興味半分で光一…

LCC航空会社、スカイベンチャーは経営難に陥っていた。立て直しの一環としてサービス向上を目指し、特にパイロットの育成に力を注ぐことにしたりそこで大手航空会社からパイロットを引き抜…

恋敵をナイフで脅す碓井景子の前に現れたのは、IQの高そうな後輩・綾波彩子。 彼女は人を傷つけるのは損だと忠告した上で、景子にあこがれの彼を振り向かせてやろうという。一体それはどん…

久々に会う彼女は髪を染め、マニキュアをし、あの頃とはすっかり変わっていた。そして彼女が「懐かしいね」と見つめるのは、あの日僕らが乗った観覧車だった、

作家をめざし、書籍化実現するも、仕事はなく廃業寸前。ふと入った居酒屋で、目にとまった一組のカップル。女が手にしていたのは、僕の作品が収録された文庫本だった。

今年88歳になる祖父。米寿の祝いにタイ旅行をプレゼントすることになるも、その案内役が俺に押し付けらた。 かつて日本軍が敷設したという泰緬鉄道の車内で、祖父はこれまで語らなかった過…

とあるお笑い芸人の生涯。 お笑いに目覚めたきっかけは、両親の不仲をとりもつため。売れっ子芸人に弟子入りするも、延々と続く過酷な下積み生活……そんな壮絶な芸人のバイオグラフィーを、…

読者のみなさまへ この小説には「ある秘密」があります。 まだ読んでいない人には、決して話さないで下さい。 第六感と聞いて、あの映画を思い出しました。以前出したことのある作…

40年近く経って初めての中学校同窓会。きまぐれに参加した僕は同窓生から松田聖子や中森明菜など、当時の推しについて聞く。ただ一人、芸術家肌の彼の語る推しとは、そういうものとは違って…

二刀流で活躍する凡大リーガーをテレビで見ていると、「二刀流ってバット二本で打つの？」と妻が聞く。夫は小馬鹿にして答えるが……

離婚係争中の松浦義則は、妻側の弁護士が去った後、一人部屋で物思いに耽っていた。 ところがその時、まるで天井が泣いているように大量の水滴が溢れ落ちて来た。驚いて上階に行ってみると、…

子供にピアノを習わせる親は、多かれ少なかれ「才能あるかも？」という期待を胸に抱く。僕もそんな一人だった。でも親バカと笑うなかれ。それだって子を思う親の愛情なのだから。 この物語は…

月花はドイツ語と日本語を教え合う、タンデムパートナーのティムから突然プロポーズを受ける。戸惑いつつ喜ぶ月花だったが、気がかりなのは家出同然でふるさとに残した両親に、そのことをどう…

新興都市・港堤県川渡市にある川渡中央駅。ここには誰でも弾くことの出来るピアノがあった。そのピアノをめぐる1,2話完結形式のヒューマン・ストーリーズ。 以前発表した作品を練り直し、…

〝少年〟は真夜中の山中で友人たちが次々と〝呪い殺され〟ていくのを目撃した。少年は呪いから逃れようと必死で山を駆け下りるが、その脳裏には奇妙なわらべ歌が流れ続けていた。しかしその道…

コロナ禍で大混乱に陥った欧州運送業界。鴨橋運送社員・瀬川海斗は混乱状態のハンブルクに派遣された。ところが瀬川がそこで見たのは、別れた妻と瓜二つの女性だった。

恋人のいないまま見合い結婚した僕は、恋バナには興味が持てない。そんなある日、引き出しからあるグッズを見つける。それは、かつて僕が身を焦がすような恋をした、思い出の品だった。

キリスト教が解禁されてまもない明治時代、仏教の根強い花巻の地で信仰を貫く斎藤宗次郎は、村民の迫害に遭いながら、ついには娘もいじめで死に、教職も追われた。自分で新聞販売の事業を始め…

経営コンサルタントの俺は、そのノウハウをWEB媒体ソートに連載していた。しかし、ある時からアンチコメントがつくようになった。気にしないように心がけても、執拗なアンチに気が滅入る。…

浜口夏海は、憧れの先輩に告白しようとしたその時、親友の桃坂美奈子が先輩の仲睦まじくしている場面を目撃してショックを受ける。その思いを小説にして投稿するが、どうしても続きが書けない…

元モテ子ちゃんだった津島さゆり。ところが小学五年生の娘まゆみは、真逆の非モテ女子だった。そろそろお洋服でもおねだりしてくれないか……さゆりがそう思っている時、まゆみが口にしたのは…

債権回収会社に勤める星宮航美は、業務上債務者を訪ねた時に事件に遭遇してしまう。第一発見者となった航美は警察で疑われてしまうが……

派遣社員の俺は、職場に気になる人がいた。それはいい女とかじゃなく、落ちこぼれの幕坂さんというおっさん。その孤高の生き様に憧れた俺は、何とか交流を持とうとするが、いつもつれない態度…

一見陸上競技をテーマとした某小節へのオマージュ…… しかし、内容には困難な時代を生き抜く人々へのエールを込めました。

モーレツサラリーマン時代を生き抜いて来た鵜殿支店長は、時代の変化に追従出来ず、ついに部下を殴って謹慎処分となる。普段帰らない昼間の家に帰ると、妻はインターネット販売に夢中でパソコ…

大学を卒業したばかりの矢木さやかは、就職が決まらずやきもきしていた。ある日、落ちた筈のイベント会社から連絡があり、とあるミッションを成し遂げれば特別待遇で採用すると告げられた。そ…

リストラで職を失い、バイトで食いつなぐが、生まれつきの不器用さで、どこへ行っても仕事がうまくいかない。そんなダメ男である僕にとって唯一の宝は、良妻賢母の妻とやんちゃだが可愛い子ど…

高度成長期からバブル期への過渡期、オートバイ業界で一、二を争う持田重工業とミヤケモータースが熾烈な乱売合戦を繰り広げた。しかしそれは極端なダンピングによる市場破壊、リベート多発に…

140文字挑戦二作目です。

自主企画１４０字の可能性を探る会への応募作です。 物語の背景はこんな感じ： 雪の日に誕生したカップル。最初はラブラブだったのに、いつしか二人の間には亀裂が入った。もうやっていけな…

ドイツ留学中の菅野祐輔は、武蔵野市で開催されるオルガンの国際コンクールに参加するため、一時帰国した。その時彼の心に咲いた小さな花。それは、教会で見かけた少女への、初々しい恋心だっ…

妻の出産に立ち会った僕。個室が空いてなかったので大部屋で入院することになったが、そこで相部屋となったのはかつてドイツで出会った意中の女性だった……。

フランス在住５年になる〝僕〟には恋人がいなかった。見かねた知人の勧めで見合いをするため、日本に一時帰国するのだが……

大阪府警機動捜査隊長を解任された泉信弘は、運転免許試験場の職員として定年までの残された期間を過ごしていた。そんな中、同僚の試験官が試験中に事故を起こしてしまう。そこに不審な事件の…

短いお話です。でも、長い時間のお話です。