望まれない続編を書きたくて堪らなくなります。望まれない続編を書きたくて堪らなくなります。
そもそも望まれた小説を書いたことなど皆無なのですが、それでも望まれていない小説の続編など誰にも望まれていないのは至極当然のことでして、望んでいるのは自分ただ一人というのが常でございましょう。こうして自分で小説を書いているということは自分一人のために書いていると言っても過言ではなく、そういう点で言えば、こうした苦悩は見当違いと言わざるを得ません。
それでも評価を気にしてしまうのが人間の性というものです。あるいは、私個人の性なのかもしれません。自分のためと言いつつ、書けば書くほど承認欲求が膨れ上がってしまうのです。手の付けようがない化け物の出来上がりです。封印しなければ人の世に災いを招くこと間違いないです。
さて、そんな化け物をどう退治すれば良いかと言えば、こう言えばいいのです。
「続編、楽しみにしています」
あるいは、こちらでしょうか。
「新作、楽しみにしています」
どちらにしろ、周囲の期待が重荷になれど嬉しくない人間など居ないはずですので、単純な人間であるところの私はこういった言葉で簡単にやる気を取り戻します。苦悩など吹き飛びます。承認欲求の化け物は承認されることで人間へと戻るのです。甘えたい盛りなのかもしれません。あえるいは、甘えることを我慢してきた人間の末路なのかもしれません。誰しも、周囲から望まれたいと思うものなのでしょう。