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Web小説ではライト層向けの作品が流行る傾向があるようです。

Web小説ではライト層向けの作品が流行る傾向があるようです。それは利用者層がそこに集中しているからです。何を根拠にこんな戯言を申し上げているのかと言いますと、単純にランキング上位の作品を見た限りの憶測です。根拠と呼べるほどのものはありません。しかし、大多数の方はWeb小説にそのような印象を抱いているのでないでしょうか。かく言う私もWeb小説を書き始める前より、そのような印象を抱いておりました。

ゆえに、本気でWeb小説の頂点を目指す場合には、そういったライト層向けのジャンルを書くべきなのでしょう。ランキング上位の作品が同一ジャンルばかりなのはそういった要因があるのだと思われます。要は、流行り廃りにのって、皆が面白いと感じるジャンルを書くことで読者を獲得するという手管です。

それが悪いとは言いません。読者のニーズに合わせて物語を紡ぐことのできる能力は、誇るべきものなのです。しかし、私個人としては自分が興味のない、書きたくない物語を紡ぐことは苦痛の極みであり、血反吐を吐いたところで到底書き上げられるものではないと思うのです。読者に合わせて小説を書ける方は、だからこそ尊敬の念を抱かずにはいられず、しかし嫉妬や羨望の念をも同時に抱くのです。

「こんな稚拙な作品が流行るのか……ふうん」「自分の物語を絶賛しない読者は精神年齢が低い」「みんな同じ作品ばかりですオリジナリティがない。それに比べて私の作品は……」、全て言い訳です。意地とでも言いましょうか。ちやほやされたい、上位に立ちたい、という負けん気とは裏腹に、流行りに乗った物語を紡ぐことに抵抗感を抱き、自分が書きたいもので結果が得られないことに腹を立て、原因を自分以外に見つけようとする方は少なくありません。

ほら、ここにもひとりいます。逆張りの極み。逆さ吊りの王様なのです。吊るされた男、それは忍耐と試練が運命づけられておりますから、抗えないのも仕方のないことでございましょう。脱線しますが、ご時世的には吊るされた『男』ではなく『女』に代わるのでしょうか。それとも、逆位置になれば性別が反転するのでしょうか。男が苦しんでいるだけならば、声を上げる方は出てこないのかもしれません。

世の中、言った者勝ちなのです。やった者勝ちなのです。やらずに文句を垂れるのは見苦しく、負け犬の遠吠えと揶揄されようと、それこそ文句は言えないのです。ゆえに、ライト層向けのジャンルを開拓し、自身の可能性を広げることは悪いことではありません。寧ろ、普段と異なるジャンルを書くと新たな発見につながります。未知の領域は目新しさでいっぱいなのです。

新たな視点で世界を俯瞰するためには、新たなライトで照らすのもまた必要なことなのでしょう。物は使いよう。宝の持ち腐れ。灯台下暗し。夢見た宝は、存外近くにあるのかもしれません。

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